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全国コンテンツマーケティング探訪~現場の声からヒントを得る

オンラインショッピングの売上2.5倍増!大丸・松坂屋が取り組む「人」起点のデジタルマーケ戦略とは

 コンテンツマーケティングに取り組む全国の企業を取材し、現場で蓄積されたノウハウを学ぶ本連載。第4回は、老舗百貨店「大丸・松坂屋」の事例をご紹介する。同社では大丸京都店が運営する公式YouTubeチャンネルの戦略を抜本的に見直した結果、2021年の北海道市オンラインショッピングの売上は前回開催比の2.58倍に。重視したのは、コンテンツを発信する目的の明確化だ。百貨店ならではの「人の力」を取り入れた同社のデジタルマーケティング戦略とは。

紙中心のマーケティング施策からデジタルにシフト

 大丸松坂屋百貨店がデジタルマーケティングに力を入れ始めたのは2017年頃。消費者の接触メディアがデジタルに移行しつつある中、同社の宣伝戦略は新聞広告や折り込みチラシといった紙媒体の施策が中心だった。営業本部の営業企画部に所属する西本祥子さんは「これまでと同じ紙媒体中心の施策では、お客様とのタッチポイントを維持さえもできないと感じていた」と当時を振り返る。

大丸松坂屋百貨店 営業本部営業企画部 販売促進・インバウンド担当 西本祥子さん

大丸松坂屋百貨店 営業本部営業企画部 販売促進・インバウンド担当 西本祥子さん

 同社のデジタル領域を担当する西本さんは、EC事業会社などを経て2008年に大丸(現大丸松坂屋百貨店)へ入社。デジタルマーケティング戦略を担当し、全国15店舗の集客に取り組んでいる。

 西本さんが本格的にデジタルマーケティングを担当するのは2015年からだが、YouTubeの活用は2011年に一度経験していた。同社の化粧品部門におけるオンラインショッピングの集客のため、独自にYouTubeでコンテンツを配信していたのだ。「社員が『やりたい』といえばチャレンジできる環境。自ら手を挙げて1人で始めた」と振り返る。

苦い失敗からコミュニケーション戦略の極意を学ぶ

 YouTubeでは化粧品のレビュー動画などを配信していたが、再生回数は100回ほど。目に見える成果は得られず「苦い思い出になっている」という。当時は「予算がなくてクオリティーを担保できないから」「協力者がいないから」と原因を外部に見ていたが、今は違った見方をしている。

 「『とにかくYouTubeをやってみたい』というチャレンジ精神から手段が目的化し、コミュニケーション戦略を全く描けていなかったんです」(西本さん)

 この苦い経験は数年後に大きな成果を生む種となった。同社のLINE戦略担当になった西本さんは、LINEで消費者とコミュニケーションを取る仕組みを構築。一連の戦略は評価され、経済産業省が2016年にまとめた先進的なSNS活用事例集「ソーシャルメディア活用ベストプラクティス」に取り上げられた。

 西本さんは「まずデジタル戦略の目的を明確にすること。そこから『誰に』『何を』『どのように』届けるかを考えることの重要性を実感した」と力を込める。実績を上げた西本さんは、自らの経験から得た知見を全国の店舗に伝えていった。

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この記事の著者

山田 太一(ヤマダ タイチ)

エディター、コンテンツマーケティングコンサルタント。産経新聞記者、人材採用広告会社の営業を経て、クマベイスに入社。クライアントワークにあたるとともに、コンテンツマーケティングやコンテンツ戦略の海外事例を研究する。熊本県出身。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/03/11 09:00 https://markezine.jp/article/detail/38421

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