「小学1年生の子と母親」をターゲットに施策を立案
MZ:研修で得られた知見を基に、どのようなアウトプットが生まれましたか?
河畠:ルルとの出会い方は人それぞれであっても、歴史が長い人ほどファン度も高いことがわかりました。親から子へ、子から子へと継承してもらう狙いから、研修後にメインのファン像を「小学1年生前後のお子様とお母さん」に設定。薬を服用できるようになる年齢が7歳なので、常備薬デビューのタイミングでルルと出会っていただくために「くすり箱プロジェクト」という新たな取り組みを進めているところです。

廣田:幼少期に始まり中高の受験、大学進学、一人暮らしや新婚生活など、人生のあらゆるポイントでルルAシリーズへの愛を生み育むチャンスがある──そんな兆しが調査から見えました。「このタイミングではルルAシリーズの中でも特にこの価値が響くはず」という要素をワークショップで抽出し、具体的な体験に落とし込むところまでを皆様と協議できたのは非常に理想的だったと思います。
また、ファン化のキラーエンゲージメント体験を作っていくにあたり「家庭の常備薬化」を強化すべきアクションと捉えて注力されています。既に研修から実りを得ていらっしゃって素晴らしいです。
社員のファン化という副産物も
MZ:研修に対する社内の反応はいかがでしたか?
河畠:ファンのナラティブストーリーを通じて「自分たちは生活者に愛してもらえるブランドを持っているんだ」という自信や安心感を強めたメンバーが多かったようです。またマーケティングチームの首脳陣にも研修へ参加してもらったことで、チーム全員が共通言語を持てるようになりました。
3日間ルルAシリーズというブランドを深掘りしたことにより、社員の“ルル愛”が深まったという副次効果も(笑)。自分たちが愛していない商品をマーケティングすることはできないので、インナーマーケティングという観点でも研修の効果はあったと思います。
廣田:普段はルルAシリーズを担当されていない方も含め、幅広いメンバーを河畠さんが巻き込んでくださいました。その結果、多角的な視点からブランドを見つめることができ、より深いファン理解につながったと感じます。
MZ:最後に、今後の展望をお聞かせください。
河畠:ルルAシリーズは風邪薬なので、コミュニケーションシーズンは秋冬なんです。ただ、ファンを育成するためのプロモーションに季節は関係ないと思っています。したがって、これからは年間を通じてルルAシリーズとの接点を作るような戦略にシフトしていくのではないでしょうか。
マーケティング部としては、次年度も「ファンの育成」という大きなテーマに引き続き取り組んでいくつもりです。今回はルルAシリーズを対象としましたが、実は既に他のブランドでも同様の取り組みを進めているところです。ブランドによってファン像もコミュニケーションの方法も当然変わってくるとは思いますが、それぞれのブランドと真摯に向き合い、ファンを育んでいきます。