インタビューなどと比べ、顧客の協力を得やすいメリットも
製品に対するレビューは、他の施策と比べて顧客の協力を得やすいという強みもある。たとえば、BtoBマーケティングで代表的な「導入事例」の制作は、関係部署への連絡、承認のプロセスが長く、時間がかかりがちだ。一方レビューの投稿であれば、ハードルはぐっと下がる。実際にON24もこの点に着目してアプローチした結果、短期間で多くのレビューを集めることができたそうだ。
ON24は現在、レビューの力を様々な面で実感しているという。特に「ITreview Grid Award 2021 Fallでの受賞をきっかけに、問い合わせが増えた」と、コクラン氏。第三者機関からの評価だからこそ顧客の目に留まるということが、このケースにおいてもうかがえる。
現在は、これまで集めたレビューで指摘された改善点をまとめて、プロダクトチームと共有し、製品開発の材料にすることも構想しているそうだ。コクラン氏は「レビューを増やす活動に引き続き取り組みながら、今後はインテントデータの活用も進めていきたいです」と展望を述べた。
顧客の声を起点にした成果創出をサポート
竹内氏は次の3点に触れて講演を総括した。まず、SaaS購買者は、増えゆく選択肢で何を基準に選定するか迷っていること。選定の手段として、透明性と信頼性の高い「顧客の声」を重要視していること。そして、アメリカでも日本でも、SaaSベンダーは「顧客の声=レビュー」を起点としたマーケティングを開始し、様々な点で成果を創出していることだ。そしてITreviewは、その実現を力強くサポートする。
竹内氏は「当社ではレビューの活用方法や様々な事例を、知見として蓄積しています。今回のお話が少しでも皆様のビジネスのヒントになれば幸いです」と講演を締めくくった。