「柔軟性」「機能性」「手軽さ」という3つの強み
実は、「ビジュアルIVR」自体は「チャットボット」と同様に一般名称だ。では、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが提供する「ビジュアルIVR」はどのような特徴があるのだろうか?
「弊社には『モバイルウェブ』というプラットフォームがあります。この中に『ビジュアルIVR』を備えており、電話問い合わせにおける課題に対応しています。お客様が電話をかけ、音声ガイダンスに従って操作すると、SMS経由でビジュアルIVRのURLが送られてきます。それをタップすると、Webサイトが表示され、『Webでの手続き』『折り返し電話予約』『チャットでのお問合せ』『メールでのお問合せ』『電話でのお問合せ』という中から簡単に選択できるUIになっています」(酒巻氏)
モバイルウェブにおけるビジュアルIVRの特徴は大きく3つある。1つ目は、コールセンターの特徴に応じて自由に画面を設定できるレイアウトの「柔軟性」だ。HTML 1行でボタンを設置することができるため、キャンペーンなどコーポレートサイトでは即時の対応が難しい細かいイベントについても、タイムリーな対応が可能だ。
2つ目は、フォームの作成・アクセス数の把握など「充実の機能」だ。折り返し電話予約フォーム、メールフォーム、アンケートフォームなど複数のフォームが作成でき、さらにページごとのアクセス数をランキング化して見ることも可能だ。「画面編集」「プレビューサイト」も完備しており、すべて管理画面から操作ができる。
3つ目は「手軽さ」である。スマートフォンだけでなくガラケーでも閲覧可能であり、管理画面の操作に関して電話とメールで相談できるヘルプデスクも設置してある。
アカウント開通時には、設定代行サービスも行っているという。画面フローと必要画像さえあれば、レイアウトやUIを整えることができる。申し込みから2週間程度で利用開始できるスピーディーさ、安価な導入しやすさも魅力だ。
ビジュアルIVRの設計においては、いかに顧客の課題解決を促すか、そのためにいかに画面をわかりやすく、必要な情報にリーチできるようにするかが非常に重要だ。そこを伴走していくのが同社のモバイルウェブというサービスであると言える。
あくまでも顧客視点で、シンプルさを心がけたUIを
マーケティング視点でも、どのボタンがよく押されているか、どの質問がよく見られているかなどをデータとして把握することで、サービスの上流設計のヒントとなる可能性もある。
「ボタンが押された数を把握することができるので、押されていないボタンは順番を下げられます。公式サイトやFAQに誘導しても、結局フォームから問い合わせが来ていれば、サイト自体の検索性に課題があることがわかり、それを改善していくことができます」(酒巻氏)
データ収集という観点では、さまざまなアイデアが浮かぶものの、注意すべきこともあると福谷氏は言う。
「あれも、これもと実現したくなってくると思いますが、情報が過剰だと逆にわかりづらくなるケースもあります。当社では極力シンプルな画面を心がけています。あくまでもお客様の自己解決を助けるツールですので、例えばお問い合わせの上位数パーセントを処理する、といった目的に絞ると丁度いいかと思います」(福谷氏)