帝国データバンクは、2022年3月報の企業倒産件数について集計し、分析を行った。
※負債1,000万円以上の法的整理が対象
2022年3月の倒産件数は587件(2021年3月比9.4%減)と、10ヵ月連続で前年同月を下回った。10ヵ月以上の連続減少は2013年8月~2015年2月以来。減少期間はコロナ禍以降では最長となった。
また負債総額は1825億8,200万円と2021年の同月と比べ30.4%増と、2ヵ月連続で前年同月を上回った。負債100億円以上の大型倒産が4件発生し、コロナ禍の2020年3月以降で最多となった。
業種別に見ると、7業種中3業種では前年同月から増加。なかでもサービス業2021年3月比5.7%増)は10ヵ月ぶりに増加した。市場の縮小が続くパチンコホールなど娯楽業(同3件→11件、266.7%増)などで増加しており、減少が続いた対面接客産業で反転増の兆しがみられる。
一方、卸売業(2021年3月比3.4%減)、小売業(同27.4%減)の流通2業種は減少。不動産業(同54.5%減)は2021年3月から半減した。
主因別に見ると、「不況型倒産」の合計は459件(2021年3月比9.1%減)で、2ヵ月ぶりに減少した。構成比は78.2%(対前年同月0.3ポイント増)だった。一方で、「放漫経営」(同33.3%増)と「設備投資の失敗」(同100.0%増)は増加した。
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