「家族カードの利用」という新たな示唆も
MZ:Custella Analyticsを実際に活用された所感や、得られたメリットについてお教えください。
小出:我々の仮説や推測に対して、ここまではっきりとデータを示していただいたことに驚きました。過去に同じような分析を他社に依頼したこともありますが、抽象的な結果や示唆が多かった印象です。Custella Analyticsでは、分析でわかること・わからないことの双方について、それぞれデータを明確に提示していただきました。
小出:先ほどの旅行代理店におけるオンライン・オフライン決済の話についても、漠然と感じていた課題に対して数値による裏付けが行えたことで、自信を持って販売戦略の転換に踏み切ることができたと思います。
清水:富裕層といえば「土地や不動産を持っているご年配の方」というイメージがあると思いますが、我々の事業においてはキャッシュを使っていただく必要があります。そういう意味で、今回Custella Analyticsを通じて活用した実際の消費を捕捉できるキャッシュレスデータは非常に有益でした。
清水:たとえば「家族カードの利用」という新たな示唆を得られたのは大きかったです。カードの名義は男性ですが、実際には奥様をはじめご家族が利用されているケースに着目し、深掘りすることができました。カードホルダーご本人はクルーズに参加されず、ご家族がご友人と参加されるシチュエーションを想定でき、マーケティングの視野が広がりましたね。
不確定な10年先、20年先の状況を見据えてプロダクトを考えなければいけない我々にとって、具体的かつ定量的なデータは、説得力のある頼もしい武器だと考えています。
サービスの拡充やカード会員向けのプロモーション実行へ
MZ:今回の分析結果を踏まえ、今後の展望についてお教えください。
清水:年代別、業種別の富裕層データを取得できたため、今後生み出すプロダクトのコンセプト立案に役立てたいです。「乗船して食事をして終わり」というプランだけでなく、よりアクティビティを重視したプランにも需要があると考えています。大人数でワイワイ楽しむようなコンセプトではなく、個々の趣味趣向を重視したプランを設けてもいいかもしれません。
清水:コロナ禍によって外での消費が軒並み減っていた一方、映画館や美術館の利用はそれほど落ち込んでいないというデータもあります。文化的なものへの関心度の高さを踏まえ、それに関連する仕掛けや企画を船の中にも盛り込んでいきたいですね。
小出:得られた分析を基に、オフラインとオンラインで注力することを分け、両方を強化する方針に決めました。オンライン予約の重要性を再認識しつつ、客船事業では人を介するサービスを軽視するわけにはいきません。利便性を求めるお客様に向けてオンラインを強化する一方、ご質問やご相談を直接されたいお客様向けにワンストップでの電話対応や対面カウンターでのサービスも強化したいと考えています。
平野:当社のカード会員様は40~50代がメイン。比較的、金銭的に余裕のある中高年の社会人層から多く利用いただいているカードです。商船三井様や商船三井客船様のサービスを知っていただきたい層が我々の会員の中に多くいらっしゃることがわかっているので、その方々へのプロモーションにおいても引き続きサポートさせていただきたいと考えています。
具体的には「Custella Promotion」というカード会員様に向けたDMプロモーションサービスを通じ、より多くのカード会員様に商船三井客船様のサービスを周知していきたいと思っています。
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