※本記事は、2022年5月25日刊行の定期誌『MarkeZine』77号に掲載したものです。
定期誌『MarkeZine』77号 特集:デジタルで進化するテレビマーケティング
第1回:本格化するテレビ広告のDX──視聴者・サービス提供者・広告主の変化に見る「テレビ活用」最前線
第2回:大切なのは、顧客理解×サービス/プロダクトに基づくマーケ戦略。ノバセル田部氏が語る本質的なテレビ活用
第3回:テレビ視聴の浸透、計測の進化──OTT広告が持つ可能性(本記事)
第4回:テレビマーケティングの進化を支えるサービス群
第5回:キッコーマンソイフーズが語るSAS活用 データを武器に進める「テレビマーケティング改革」
第6回:デジマの経験はテレビCMにどう活きる?「バクラク」のマーケターに聞く
テレビでターゲティング広告が配信できる
──まず、OTTとはどのようなものか、またOTT広告の特徴を教えてください。
野屋敷:OTTとは、通信インフラではなく、インターネット配信を通してコンテンツを提供することを指します。インターネット回線からコンテンツ配信を行うため、動画や音声といったリッチなコンテンツを提供しているものが中心となっています。
野屋敷:そして、リッチなコンテンツの前・中・後に配信できるOTT広告には、3つの特徴があります。1つ目は、大画面でコンテンツを見ている人に広告配信できる点です。
現在インターネット回線に接続されたCTV(コネクテッドTV)の浸透が進んでおり、家のテレビから映像配信サービスを利用している方も増えてきています。テレビのリモコンにYouTubeやABEMAのボタンが付いている方も多いのではないでしょうか。
このように、テレビで映像配信サービスを見る習慣が生まれているため、OTT広告ではこれまでのネット広告に比べてリッチな広告体験を提供することができます。
2つ目はテレビCM品質で広告が出せる点です。テレビにも配信できることで、テレビCMを視聴するときと近い視聴態度が獲得できます。
そして、3つ目はターゲティングができる点です。コンテンツカテゴリーなどで絞り込んで配信できる上に、フリークエンシーのコントロールも可能です。デジタルならではの緻密な配信は、大きな特徴であると思います。