SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究(AD)

Microsoft 広告が日本で始動。トップが語る製品の魅力・投資戦略とは?

 マイクロソフトが日本市場で広告サービス「Microsoft 広告」を開始した。発表の場となったのは、5月31日から6月2日まで都内とオンラインで開催された「Advertising Week Asia 2022」。マイクロソフトでMicrosoft Advertisingを担当するコーポレートバイスプレジデント、Rob Wilk氏がMicrosoft Advertisingの強みや日本市場にかける意気込みを語った。

日本市場で広告ビジネスを開始

 「Advertising Week Asia 2022」の基調講演に登壇したRob Wilk氏。コロナ禍になってから2回目の国外出張の行く先に日本を選んだというWilk氏は、「マイクロソフトは創業47年、現在我々はかつてないほど広告にコミットしている」と語る。マイクロソフトは2022年に入り、欧州やアフリカなどにMicrosoft Advertisingを拡大することを発表済みであり、この度、日本市場で「Microsoft 広告」としてのローンチとなった。

 Microsoft 広告は検索広告、ネイティブ広告、ディスプレイ広告などで構成される。

 「この5年間、日本の企業がマイクロソフトのオーディエンスにアクセスするためにはパートナーを経由する必要があり、レポートやターゲティングのオプションも限定的でした。5月31日より、日本の代理店とブランドはマイクロソフトを通じて検索広告やネイティブ広告を直接購入し、我々のグローバル広告プラットフォームに直接アクセスできるようになります」とWilk氏。

 Microsoft 広告と直接協業することで、マーケティング担当者やメディアエキスパートはより一層リッチな検索広告、ショッピング広告、ネイティブプレースメントを含むインパクトのある広告ソリューションで出稿することが可能となり、購買ジャーニーのすべての段階で見込み客にリーチすることができる。さらに、トラフィックの内訳やクリックシェア、クリックランクなど、詳細なレポートと最適化機能を利用できるため(アカウントチームより提供)、広告主がより多くの情報に基づいた意思決定を行うこととなり、高い投資対効果を実現する

 Microsoft 広告は年齢・性別ターゲティング、地域ターゲティング、デバイスターゲティング、LinkedInプロフィールターゲティング(近日提供予定)、高度なレポート機能などを提供する。これにより広告主は、コンシューマーの意思決定ジャーニーを通じて、得られた洞察をオーディエンスへのリーチに変えることができる。そしてグローバルに展開する日本の広告主は、ワンクリックでキャンペーンを展開し、10億人以上にリーチすることができる。

マイクロソフト コーポレート バイス プレジデント Microsoft Advertising担当 Rob Wilk氏
マイクロソフト コーポレート バイス プレジデント Microsoft Advertising担当 Rob Wilk氏

PCでの情報取集・購入が増加傾向に

 日本市場の素地について、Wilk氏は「マイクロソフトの製品は日本でよく利用されている」と述べる。同社のWebブラウザ「Microsoft Edge」がインストールされている端末は7,400万台あり、検索サービス「Microsoft Bing」についても最大レベルの市場のひとつだという。

 何よりもMicrosoft 広告ならではの魅力とWilk氏が述べるのが、Workday Consumer(ワークディ コンシューマー)と称するオーディエンスにアプローチできることだ。

 「Microsoft 広告は10億人以上のオーディエンスを持っていますが、このオーディエンスは購買能力があり、広告へのエンゲージが高く、オンラインで購入しています」とWilk氏。平均的なWebユーザーよりもオンラインで消費する可能性が15%高く、これは競合よりも高い数字だと明かした。

 この秘密は、PCにある。「コロナ禍でPCの“復活”が起きている」とWilk氏。PCの前で過ごす時間と頻度が増え、仕事とプライベートの間を行き来しながら限られた時間で両方のタスクをこなす人が増えているという。同社はこのような特徴を有する人々を、ワークデイ コンシューマーと呼んでいる。

新たな消費者“ワークデイ コンシューマー”とは?

 ワークデイ コンシューマーの実態を探るべく、マイクロソフトがフォレスターコンサルティングと行った調査によると、日本では回答者の42%が、「1日の勤務時間のうち1時間以上を個人的な用事に費やしている」という。さらにコロナ禍前と比較して「勤務時間中にプライベートの用事に費やす時間が増えた」と回答する人は45%、5人に1人がその時間は今後もっと増えると述べているという。

 また、消費者の51%が、勤務時間中に商品検索を行い、37%が仕事中に購入を行っていることも明らかになった。61%の人は仕事用のツールをプライベートな用途でも使っていると回答している。

講演資料より
講演資料より

 Wilk氏はさらに続ける。「日本において、この6ヵ月でPCでオンラインショッピングを行ったという回答者は100%。これは世界平均の4倍以上です」。なお、検索している商品カテゴリは、「車(72%)」「金融商品・サービス(59%)」「家具(58%)」などが多かったそうだ。

マーケターも消費者の変化を感じ取っている

 このような消費者の購買行動の変化は、マーケティングやデジタル広告戦略に大きなインパクトを与えている。これまでは、通勤時間中の消費者にリーチするために、早朝、夜、週末などのタイミングでスマートフォンや屋外広告を用いていたが、この方法ではうまくいかない、とWilk氏。マーケター側も変化を感じていると指摘する。

 先述のフォレスターコンサルティングとの調査によると、「消費者の行動の変化が成功において最も重要な戦略」と回答したマーケティングとメディア担当者は77%、「新しい消費者の現実を認識する必要がある」と述べた人も50%いたという。「ワークデイ コンシューマーにフォーカスしない残りの50%は、ビジネスの成長にあたって重要な機会を逃すことになる」とWilk氏は述べる。

 では、Microsoft 広告ではワークデイ コンシューマーにいかにリーチできるのか。Windows OSを起動すると、スタートメニュー、Windows Searchがあり、ユーザーはこれらを入り口にしてブラウジング、検索、ショッピングなどを行える。Wilk氏は、「Windowsをよく使う人ほどEdgeを使う傾向があり、Edgeとスタートメニューを使う人はBingを使う傾向がある」とマイクロソフトのエコシステムを説明する。さらには、「Windowsは長年にわたってプライバシーとセキュリティをDNAに組み込んできました。ワークデイ コンシューマーは、信頼できる場所で活動を行うことができます」と述べた。

 「Microsoft 広告は意図、動機、人口統計、行動、プロファイルのデータを統合し、リッチなオーディエンスインテリジェンスを構築しています」とWilk氏。マーケティング担当はこれを利用してより効率的に消費者にリーチできると続ける。検索エンジン、ニュースパブリッシャー、ブラウザ、ゲームコンソールなどが傘下にあり、ファネル全体をカバーする広告ソリューションスイートを利用できるという。

グローバル展開とポートフォリオ強化で、更なる価値を提供へ

 続いてWilk氏は、Microsoft 広告のバリューをさらに高めるための戦略的投資について説明。まずは市場の拡大こそが成長のカギだ。具体的には、2022年末までに日本を含む世界150以上の市場でMicrosoft 広告が利用可能になる。これにより、検索の数は年間116億に達すると予想する。これはグローバル展開を進める前と比較して10%の増加となり、日本だけで毎月7億回の検索が加わるという。

 Microsoft 検索ネットワークとして進める検索領域については、ツアー、アクティビティ、サービスなどの垂直型の広告を検索結果に表示する機能、カスタムオーディエンスや類似オーディエンスなどの機能を今年後半までに加える。

 ネイティブ広告のMicrosoft オーディエンス ネットワークでは、検索行動とブラウジングの行動を組み合わせ、精度の高い広告キャンペーンを展開できる。「AIや機械学習などを活用してオーディエンスセグメントを作成でき、ブランドの安全性を保ちながら収益の高い広告表示が可能になる」とWilk氏は述べる。2年前に提供を開始以来、広告主向けのクリックボリュームは5.5倍に拡大しているという。

 これらに加えて、小売向けメディアプラットフォームのPromoteIQ(2019年に買収)により、コロナ禍で成長するECのマーケティングも支援する。「日本は世界で3番目に大きなEC市場を持つ」とWilk氏。小売業は、オンラインだけでなくオフラインや店舗での活動も視野に入れることができるという。

 2022年6月6日に買収を完了したXandrも紹介された。XandrのDSPとSSPをMicrosoftの動画などの技術と組み合わせて、「競争力のあるオファーができる」とWilk氏。オープンなWebでコンシューマーにリーチし、ターゲティングしたメッセージを送ることができるようになる。

 「我々は今後もMicrosoft 検索ネットワーク、Microsoft オーディエンス ネットワーク、PromoteIQ、Xandrへの投資を継続し、マーケティング担当が顧客に新しく差別化された方法でリーチすることを支援します。広告主に本物のROIをもたらしたいと願っています」(Wilk氏)。

講演は都内会場とオンラインのハイブリッドで行われた
講演は都内会場とオンラインのハイブリッドで行われた

 最後にWilk氏はプライバシーの面でのマイクロソフトの考えを説明した。「Microsoft 広告はプライバシーにフォーカスしたツールを提供します。顧客は、許諾ベースのファーストパーティデータを活用してコンシューマーと結びつくことができます」とWilk氏。「データは顧客のものであり、我々はプライバシーを犠牲にすることなく透明性を提供します」と語る。

 マイクロソフトは日本市場でMicrosoft 広告を展開するにあたって、広告プラットフォーム、Webサイト、マーケティング資料、ヘルプページなどを日本語対応にローカライズして提供している。すでに350ブランドがテスト中で、日本での事業の拡大のため、東京にセールス、マーケティング、サポートの専門チームも増強しているという。

 「我々の目標は、顧客が適切なタイミング、適切なメッセージでコンシューマーにリーチできるようにすること。コンバージョンを加速させ、コンシューマーと長期的関係を構築できるようにします」とWilk氏は日本のマーケターにメッセージを送った。

問い合わせ先

Microsoft 広告 特設ページ

〒108-0075 東京都港区港南 2-16-3 品川グランドセントラルタワー
LinkedIn: Microsoft Advertising
Instagram: @msftadvertising
Twitter: @MSFTAdvertising

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
この記事の著者

末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

フリーライター

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2022/07/12 11:00 https://markezine.jp/article/detail/39142