※本記事は、2022年6月25日刊行の定期誌『MarkeZine』78号に掲載したものです。
Z世代で高まるサステナビリティへの意識
Z世代は「サステナビリティ」への意識が高いと言われる。インテージで実施している調査でも、この世代はサステナブル行動をとっている人の割合が高いという結果が出ている(図表1)。
一方で、Z世代を対象とするインタビューの中で商品やブランド選択におけるサステナビリティやエコの影響について聞くと、「いいとは思うけど……」と自分ゴトになっていない人が多い印象を受ける。
Z世代においてサステナビリティへの意識が高いとはどういうことなのか、ブランドや商品選択にどのように影響しているのか。インテージクオリスでは、サステナビリティに対する意識調査とZ世代へのインタビューを行い、そのリアルを探った(調査概要は記事末尾に記載)。
Z世代のサステナブル行動の特徴
まずは、Z世代におけるサステナブル行動の特徴を見てみよう。インテージが毎年実施している自主調査で聴取している45のサステナブル行動についてZ世代と大人世代で比較してみると(図表2)、以下のことがわかる。
(1)Z世代は、実践するのに労力のかかる行動(ボランティア、コンポストなど)や、自分ゴト化しにくい課題への取り組み(フェアトレードや動物の福祉など)が、大人世代よりも高い傾向
(2)これまで広く行われてきた節水・節電・省エネなどは低め。また、「レジ袋」「使い捨てのスプーンなど」を断る人の割合は大人世代よりもやや低く、便利さを優先する様子も見られる
このような傾向が見られるのには、どのような背景があるのだろうか。インテージクオリスは、サステナブル行動セグメントで「Super」「High」に分類されるZ世代の9人にインタビューを実施。自身が関心を持つ社会課題を意識し始めてから今に至るまでの気持ちや行動の変化、背後にあるモチベーションを探った。