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第106号(2024年10月号)
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MERY Z世代研究所 所長が説く「Z世代マーケティング論」

「発信する消費者」をいかに巻き込むか?Z世代攻略の鍵を握る「インフルエンシューマー」とは

 MERY Z世代研究所 所長の斉田裕之氏による新連載が始まります。テーマは、「推しマーケティング」。Z世代の消費行動の根底にある価値観を見ていくと、「推し」という存在の大きさが明らかになるのだそう。連載の1回目は、「推しマーケティング」を理解する上で重要な「インフルエンシューマー」という概念の解説からスタートします。

MERY Z世代研究所が解説する「Z世代マーケティング」

 MARY Z世代研究所の斉田です。MERYでは、ユーザーコミュニティを通し、Z世代と近い関係の中で「Z世代ってこうだよね」とひとくくりに捉えてしまわず、目の前で見て聴いて、肌感覚で探るということを大切にしています。そして、その知見を様々な企業、ブランドのマーケティング活動に活かしています。この連載では、そうした活動を通して見えてきたZ世代の消費行動の根底にある価値観を捉えた上で、有効なマーケティングのアプローチとして「推しマーケティング」を解説したいと思います。

株式会社MERY 執行役員 CBO(チーフブランドオフィサー)/クリエイティブディレクター 斉田裕之氏
株式会社MERY 執行役員 CBO(チーフブランドオフィサー)/クリエイティブディレクター 斉田裕之氏

 Z世代論といえば、「自分らしさを大切にする」「TVは見ずにSNSファースト」など、俯瞰的・分析的な語られ方はすでに多くなされています。また、「TikTok売れ」「短尺動画のTips」など、個別の地上戦の戦法についてもウェビナーを中心にノウハウが日々披露されています。他方、今回この連載で深掘りするのは、その間にある、企業のマーケティング活動全体で大いに活用できるマーケティング論です。

なんでもアリ!Z世代における「推し」の実態

 「推しマーケティング」とは、推しに関するマーケティングという意味ではなく、「推しという根底の価値観を捉えたマーケティング」という意味です。「推し」は、Z世代を中心にオタクやアイドルから始まった言葉ですが、今や「推しカフェ」もあれば「推しレシピ」もあります。さらには、「私の推しはカレシ(彼氏)」とも言うように、領域はなんでもアリになってきています。

 個性教育を受け、ダンスなどの自己表現が義務教育としてあった世代。自分らしさを表現できることが大切であり、SNSネイティブなZ世代にとって、自己表現しつつも“自慢にならない”ちょうどいい手段が「推し」なのです。また、初対面でも「推し」を通じて友だちになるなど、共感し合い、繋がるのにもちょうどいいと言われています。

 現在、「推し」は個人的な趣味の領域にとどまらず、あらゆる商品・サービス消費に広がっています。Z世代の消費行動や情報行動の根っこにあるものを「推し」と捉え、マーケティングを考えていこうと思います。

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この記事の著者

斉田 裕之(サイダ ヒロユキ)

株式会社MERY 執行役員 CBO(チーフブランドオフィサー)/クリエイティブディレクター 斉田裕之

2007年に博報堂入社。2021年4月から現職。MERYの事業イノベーションとリブランディングを行いながら、同時に様々な企業のマーケティング/クリエイティブにも携わっている。新聞広告賞大賞、JAAA広告...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/08/01 08:00 https://markezine.jp/article/detail/39511

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