単なる「コラボ」に進化はない
もうひとつ大事なポイントは「データ」です。インフルエンサーは、自身の情報発信がユーザーにどう受け止められたかをリアルタイムに数値とコメントから把握し、細かい対応を行っています。これは、もちろん企業案件でも同様です。
どういうユーザー層にどれだけ受け入れられているか? 継続した取り組みをユーザーは期待しているか? 一部の層には飽きられているのではないか? 彼らがヒットを生み続けられるのには、こうした姿勢があります。
一方、企業側は専用の商品を開発し、その在庫リスクを持つことになるので、取り組みは簡単ではありません。そこで当社では、インフルエンサーマーケティング経由でどれだけ商品が売れたか、サービスが利用されたかを計測するシステムを提供しています。これにより、YouTubeやTikTokでの施策経由で売れた商品数とその他の販路から売れた数を正確に把握することが可能になり、マーケティングの高度化とROIの最適化を図ることができるようになります。インフルエンサーマーケティングの進化は、人の共感がアルゴリズムやデータと連携することで新しい価値を生み出していくのです。

Pinoeight株式会社 代表取締役 松山 奨氏
松屋銀座のバイヤーとしてキャリアをスタートし、楽天のECコンサルタントを経て、スタイライフの副社長、Rakuten Brand Avenueの事業責任者、UUUMの執行役員としてECやD2Cの新たなトレンド創出に尽力。2021年11月より現職。

株式会社グラニフ 代表取締役 CEO 村田昭彦氏
明治大学卒業後、オンワード樫山に入社。ネットプライス(現BEENOS)、カフェグローブ・ドット・コム取締役COO、ベイクルーズ上席取締役、オンワードホールディングス常務執行役員を経て、2020年9月より現職。