これまでは性年代などのデモグラフィック、興味・関心などのターゲティングが主流だったが、最近では社会課題を起点にブランドコミュニケーションを行い、そこから共感を得るブランドも出てきた。社会課題をターゲティングの軸としたとき、企業は何に気を付ければ良いのか。本記事では、社会課題解決型キャンペーンで自社商品の売上のV字回復を果たし、国際的なマーケティング賞も多数受賞している、元P&Gで現在OKURA BOOTCAMPの代表を務める大倉佳晃氏に、そのポイントを聞いた。
※本記事は、2022年8月25日刊行の定期誌『MarkeZine』80号に掲載したものです。
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グローバルでの成功体験がきっかけに
──大倉さんはP&Gのパンテーンブランドで社会課題を切り口にしたキャンペーンを企画し、話題を作りました。社会課題を起点としたコミュニケーションに注目するようになったのは何かきっかけがあったのでしょうか。
私がP&GのスキンケアブランドSK-IIでグローバルのブランドマネージャーを担当していたときに行っていたキャンペーンがきっかけです。2016年にSK-Ⅱはブランドパーパスとして「CHANGE DESTINY」を掲げており、困難を乗り越えてきた女性たちのストーリーを伝えるキャンペーンを展開していました。
その中で印象的だったのが、中国の「剰女(しぇんにゅい)」に関する問題を取り上げた動画です。中国では25歳から27歳ごろを過ぎて独身の女性は「売れ残り」を意味する「剰女」のレッテルを貼られ、彼女たちは20代後半が近づくにつれ結婚しなければならないという圧力を感じていました。動画では、そういった社会的なプレッシャーに支配されない人生を送ってほしいというメッセージを込めました。
1985年生まれ。元P&G APAC Focus Market ヘアケア シニアディレクター・CMO。2008年P&Gジャパン入社。入社3年目からアジアヘッドクォーターのシンガポールに着任、11年にわたり勤務し、グローバルSK-II、日本・韓国ファブリーズ、日本ヘアケアで業績V字回復や急成長を牽引。カンヌ・ライオンズ含む世界中のブランド・広告賞も多数受賞。現在は、外資・内資・大企業・スタートアップまで、幅広い会社のアドバイザーや取締役、エンジェル投資に従事している。
「CHANGEDESTINY」のキャンペーンは、このような社会課題にフォーカスを当てたものだけではありませんが、この中国のキャンペーンは反響が大きく、売上や利益も全世界で急激に増加したことから、それ以降注目するようになりました。
また、P&Gやその他グローバル企業の海外の取り組みを見ても、パーパスドリブンやソーシャルグッドな取り組みが上手くいっていたので、設計次第ではビジネスにも貢献できて、社会にも良い影響を与えることができると考えるようになりました。
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道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)
1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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