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特集:ターゲティングが嫌われる時代のシン・ターゲティング

新しい広告の届け方:「人基点」で1対nに広告を届けるデジタルOOHの現在点

 テクノロジーの発展にともないOOHも大きな進化を遂げている。ターゲティングが嫌われる時代において、人基点に配信可能なデジタルOOH(以下、DOOH)は非常に有用であると言えるだろう。LIVE BOARDのシニアマネージャー・髙山晋太郎氏に、DOOH「LIVE  BOARD」で現在できることを解説してもらった。 ​​​​

※本記事は、2022年8月25日刊行の定期誌『MarkeZine』80号に掲載したものです。

インプレッションでの配信が可能なDOOH「LIVE BOARD」

 LIVE BOARDは、NTTドコモと電通によって2019年に設立されたジョイントベンチャーカンパニーです。OOH領域において国内で初めてインプレッション(広告視認者数)に基づく配信を実現し、現代に象徴される人流変化が起こりやすい状況下でも「そのとき、その場所で、その広告を」見たと仮定される人数をもとに、限りなく実態に即した広告配信および課金体系を展開しています。

 加えて、屋外、屋内、電車内、駅構内など日本全国の幅広いDOOH媒体を束ねた独自ネットワークにビッグデータを掛け合わせることで、1対n(many)というOOHの特性はそのままに、性年代、属性、趣味嗜好に基づくメディアプランニングなど、従来のOOHでは難しかった“人”基点による配信を実現しました。

OOHが再注目されている理由

 昨今取り沙汰されているCookieレスの流れを受け、改めてOOHが注目を集めています。

 2018年に施行されたGDPR(EU一般データ保護規則)は、世界中のデジタルマーケターに大きなインパクトを与えました。各国が個人情報の取り扱いについて対応を急ぐ中、日本国内でも2022年4月に改正個人情報保護法が施行されたことは記憶に新しく、そこでは特定の条件下でのCookie同意が義務付けられましたが、国際的動向を受けながら、次回以降の改正ではより厳格な規制がかけられると考えられます。

 一方で、IDFAやGAIDなどモバイル広告IDも標準設定が「許可」であるオプトアウト方式から、端末利用者による明確な許可が必要なオプトイン方式へ移行するなど、こと個人データの第三者提供に関しては、より厳格な同意確認を要求されることが新たな常識となっています。

 このような潮流を背景に、1対1でのターゲティングを原則とするデジタルメディアと対比される形で、OOHの持つ1対n(many)という性質が再注目されているのです。大前提として、OOHは「個」にアプローチするのではなく、「集団」に届けるメディアです。精緻なターゲティングがデジタル広告の得意分野ならば、不特定多数に対してインパクトを与えられることがOOHの特徴とされてきました。当然ながら、個人情報を扱うことなく公共の場で大画面による訴求ができるなどOOHならではの利点がある一方で、そこに「どのような人が、どのようなタイミングで、どれくらいの人数いるか」が不透明であることは、より細かな文脈を必要とするデジタル広告と対比される際に不十分であったように思います。

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MarkeZine(マーケジン)
2022/08/26 11:06 https://markezine.jp/article/detail/39737

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