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新・女性のココロを動かすマーケティング術

SNSでは“知名度”が無くてもモノが売れる?ショート動画の「疑似体験」で直結型の購買行動を生む手法

体験喚起型のショート動画の世界で求められるコンテンツとは

 ショート動画は主にTikTok、Instagram、YouTubeの3つのプラットフォームで展開されていますが、各プラットフォームで視聴者層や視聴されやすいコンテンツは異なります。そのため、マーケティング活用においてはそれぞれの特徴を踏まえることが重要です。ここからは、各プラットフォームで直結型の購買行動を生むための設計について解説します。

(1)エンタメ性と不完全さの両立「TikTok」

 日本でTikTokが普及し始めた当初は「10代の女性ユーザーがダンス投稿をしている」というイメージが強くありましたが、現在ではコンテンツの多様化にともないユーザー層が拡大しています。また10~30代女性には、ダンス投稿よりも美容や食をテーマにした投稿のほうが視聴される傾向にあります。

 そんなTikTokで購買に直結するコンテンツは、インパクトやユニークさのある“エンタメ性”の強い動画です。ユーザーのタイムラインの流れが速いことから、コンテンツの「冒頭3秒」でユーザーを引き付ける構成設計が重要になります。またプラットフォームの世界観である“リアルさ”や“不完全さ”を大切に、あえて作り込みすぎず、商品購買による「ビフォーアフター」をわかりやすく示すことも有効です。

(2)クリエイターの世界観重視「Instagramリール」

 Instagramは静止画とテキストを投稿するプラットフォーム、というイメージが強くありましたが、現在では全世界的にショート動画を投稿する「リール」機能が主力コンテンツと位置づけられており、露出の強化や動画の加工処理を行う「エフェクト」の拡充などを行っています。

 TikTokやYouTubeショートと比較すると、相対的に視聴者の年齢層が高い傾向にあり、また「インスタ映え」という言葉も生まれたように、クリエイターのトンマナやおしゃれで丁寧な世界観が重視されるプラットフォームです。

 そのため、Instagramリールにおいて購入に直結するコンテンツは、クリエイターが“丁寧に作り込む”ことが重要で、“不完全さ”が求められるTikTokとは相反した特徴を持っています。作り込んだクリエイティブや丁寧な商品説明により、購買につながる「ライフスタイル」や「世界観」を想起させることが必要です。

(3)セールストークのダイジェスト版「YouTubeショート」

 TikTokとInstagramリールの両方の要素を兼ね備えているのがYouTubeショートです。YouTubeは幅広い年代に利用されていますが、その中でもYouTubeショートに関しては、若年層の視聴が多い傾向があります。

 またエンタメ性の高いコンテンツとの相性が良いのに加え、“ハウツーもの”や“長尺動画のダイジェスト”などのコンテンツもよく視聴されています。そのためYouTubeショートで購買に直結するコンテンツを作るためには、訴求したい商品特徴を整理した上で、「セールストークのダイジェスト版」を意識するのが良いでしょう。

 ここまで述べてきた通り、SNSでの直結型の購買行動においては、「認知」や「興味関心」を獲得することよりも、商品・サービスを「疑似体験」してもらうことが必要です。ショート動画は、そんな「疑似体験」を実現できるフォーマットですが、TikTok、Instagram、YouTubeの各プラットフォームの特徴を踏まえた上で、商品と課題に適したコミュニケーション設計・コンテンツ企画を行うことが重要といえそうです。

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この記事の著者

柳原 彩(ヤナギハラ アヤ)

トレンダーズ株式会社 ソーシャルメディアマーケティングDiv.プランナー

 一橋大学社会学部を卒業後、2020年よりトレンダーズにて現職。入社以来、食品、飲料業界を中心に、インフルエンサーやSNSメディアを活用したマーケティング支援を担当。SNSトレンド分析を基に、コラムの執筆やイベント登壇実績あり。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/08/25 07:00 https://markezine.jp/article/detail/39741

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