多面的なメディアプランニング指名検索に対する残存効果も明らかに
ここからは、制作したCMをどのメディアで流したのか、どのような知見・結果が得られたのかという点についてお伝えします。
今回のキャンペーンで活用したメディアは以下の通りです。
●テレビ
●タクシーサイネージ
●エレベーターサイネージ
●喫煙所サイネージ
●デジタル動画広告
そのうち、本稿ではタクシーサイネージについて紹介します。ご存知の通り、BtoB商材やSaaS商材で活況なタクシーサイネージですが、当社の場合も目に見える効果を実感することができました。
TOKIUMでは認知施策の効果を指名検索で評価することにしており、週次でその推移を確認しています。図表1の通り、タクシーサイネージの放映を開始した5月9日に指名検索のスパイクが見られます。

また、非常に興味深いのは、同様にタクシーサイネージを放映した6月20日週では放映期間内の24日にもスパイクが起き、ネコの耳のように月曜日と金曜日にスパイクが起きたことです。さらに、点線で囲んだ翌27日週も同じ推移をたどっています。なお、同期間はタクシーサイネージの純粋な効果を測定するために、テレビCMやデジタル動画広告の出稿は行っていません。
この結果から、タクシーサイネージの効果を実感できたことは言うまでもありませんが、放映していない翌週まで指名検索に対する残存効果がある可能性が見えてきました。放送枠の変更やメニューの変更など、タクシーサイネージの最適化を進めると同時に、今後はテレビCMやデジタル広告と重複させたときにどのような結果となるのか、相乗効果の高い組み合わせを模索していきたいと考えています。
テレビCMの効果を検証する定量的な評価指標
今回、キャンペーンの途中で本稿を執筆しているため、定量評価はこれから各種レポートを取りまとめて整理する予定ですが、キャンペーン期間中の現時点でも以下の効果が挙げられます。
●指名検索のリフト
●問い合わせの増加
●既存顧客のロイヤルティ向上
●社員のモチベーション向上
なかでも、既存顧客のロイヤルティ向上については、LTVの向上に寄与し、さらにはお客様からポジティブなコメントをいただくことが社員のモチベーション向上にもつながりました。また、テレビCMのクリエイティブ品質にこだわったことは、初速ではデジタル動画広告において視聴完了単価が予測の約2分の1で推移している点にも寄与しています。 TOKIUMが元来得意としてきた定量的な評価やPDCAサイクルに、誰に何を伝えるコミュニケーションなのかを徹底的に考え抜く点が加わったことで、予測を上回る効果を得ることができました。 今回のキャンペーンで、ひとつの基準となる知見は得られました。これに留まらず、新しいコミュニケーションチャネルの開発およびクリエイティブへの挑戦を続けていくためにも、定量・定性の両面から振り返りを行い、次のキャンペーンに備えていきたいと考えています。
