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消費者を動かすコミュニケーションに必要な11の視点

【第3回】消費者起点のマーケティング戦略――11のパーセプションから感情的な繋がりを創る

 マクロミルのデータストラテジスト 安野将央さんによる連載『消費者を動かすコミュニケーションに必要な11の視点』の最終回です。消費者は自身が受け取る価値をどのような視点で認識するのか? 消費者研究の各種文献をもとに導き出された11のパーセプションを解説いただきます。多様な消費者の心を動かす戦略を考える上で、パーセプションの知識・理解は、マーケターの強力な武器になるはずです。

 前回は、消費者研究からパーセプション(認識)のメカニズムについて紐解き、消費行動に影響を与えるパーセプションの種類を取り上げました。消費者が認識する価値は、「機能的」「感情的」「認識的」「社会的」の4つの側面から捉えることができます。これらの価値は相加的に消費行動に作用するため、すべての側面から商品やサービスの価値を訴求することで、ブランドが選ばれる確率を高めることができます。したがって、商品やサービスの競争優位性を確立するには、消費者が受け取る価値を多様化させていくことが必要です。

 3回目となる本稿では、消費者研究の各種文献をもとに、4つの価値を分解して導き出した11のパーセプションを解説します。そしてパーセプションを起点にした価値訴求の検証結果を紹介し、そこから消費者起点のマーケティングについて考察します。

11のパーセプション~消費者が受け取る価値の視点とは

 パーセプションには「比較的」「個人的」「状況的」という性質があり、個人によって商品やサービスの価値の受け取り方は異なりますが、知覚する種類にパターンがあります。どのような視点で消費者は価値を認識するのか、詳しく解説します。

機能的価値

 機能的価値は「客観的な機能性・実用性から知覚される効用」です。その効用は、あくまで消費者の主観に基づくため、実際の機能と異なる可能性があることに注意が必要です。機能的価値には3つの視点があります。

1.品質的価値

商品・サービスの機能性や品質、卓越した側面に基づく評価。消費者が認識できる範囲の具体的な機能や性能など、他の商品・サービスと比較して優れている点から認識される

2.経済的価値

商品・サービスの価格やコストパフォーマンスなどの経済性に基づく評価。「品質」を踏まえ、他の商品・サービスを比べたときの相場観・値頃感から認識される

3.効率的価値

商品・サービスの使いやすさや実用性、時間・労力の省力化に基づく評価。実際に利用したときの効率化の効用として手間が省ける、時間が節約できる、といった点から認識される

感情的価値

 感情的価値は「使用や所有により想起される感情・情緒から知覚される効用」です。消費行動で生じる感情そのものと言えます。感情的価値には2つの視点があります。

4.快楽的価値

商品・サービスによって得られる高揚感や気持ちの充足に基づく評価。楽しさやワクワク感、非日常的な気分の体験、日常生活の煩わしさの解放といった期待や実感から認識される

5.審美的価値

商品・サービスのデザイン性や外観の美しさなど、視覚的な感性に基づく評価。商品・サービスがもつ雰囲気、スタイルなどの好ましさによって認識される

認識的価値

 認識的価値は「好奇心や知識欲求の充足、特定の価値観をもとに知覚される効用」です。これは特に、身の回りの環境や対人関係などの状況により、価値の度合いが変わる可能性があります。認識的価値には3つの視点があります。

6.新奇的価値

商品・サービスに対する好奇心や目新しさに基づく評価。最新技術による目新しさや流行への好奇心、面白みなど期待や実感から認識される

7.学習的価値

商品・サービスから得られる情報や知識に基づく評価。新たな知識や文化の学び、教養や情報を得ることへの期待や実感から認識される

8.倫理的価値

商品・サービスの消費を通じた倫理性に基づく評価。環境保全や他者への応援、貢献など、正義感や美徳観から認識される

社会的価値

 社会的価値は「対人関係や特定のグループに関連づけて知覚される効用」です。消費行動によって周囲へ働きかけることが目的であり、それが効用になります。社会的価値には3つの視点があります。

9.優越的価値

商品・サービスの使用・所有による社会的名声や優越性に基づく評価。自分にとってのステータス性や他者への自慢、憧れを集めることへの期待や実感から認識される

10.差異的価値

商品・サービスの使用・所有による個性の主張や表現など、他者との差異に基づく評価。自分らしさの表現、理想とする自分の演出などの期待や実感から認識される

11.同調的価値

商品・サービスの使用・所有による帰属意識の高まりなど、準拠集団に基づく評価。憧れの人や特定のグループとの繋がりなど、その社会に所属する感覚から認識される

【図表1】消費価値フレームワーク
【図表1】消費価値フレームワーク

 以上の11のパーセプションは、個人によって認識する度合いは異なりますが、欲求(ニーズ)と密接に関係しており、誰もが商品やサービスに対して潜在的に期待している要素だと考えています。すなわち、この「消費価値フレームワーク」は、消費行動を理解するための手がかりであり、消費者の心の動かす上で必要な視点=消費者インサイトです(図表1)。

 この消費価値フレームワークの有用性を確かめるために、全国1万人を対象にした消費者調査を実施し、パーセプションを起点にした価値訴求を検証しました。

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この記事の著者

安野 将央 (ヤスノ マサヒロ)

株式会社マクロミル データビジネスデザイン本部マネージャー/データストラテジスト 大学卒業後、D2C企業にてデータベースマーケティングに従事。新規顧客の獲得からリピート顧客育成まで、顧客データの分析を通じて、施策の効果検証やLTVをベースとしたPDCAマネジメントを担当。マクロミル入社後は...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/09/28 07:00 https://markezine.jp/article/detail/40112

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