ベネフィットはハードとソフトをバランス良く設計
続いて加藤氏は、ブランド独自のベネフィットをアンロックする方法について解説した。同氏によれば、ベネフィットはハードとソフトに分けられる。
ハードベネフィットは、割引やクーポン、サンプル商品の提供などを指す。一方、ソフトベネフィットには、ブランド独自の製品体験イベントやコンテンツへの限定アクセス、特定の条件を達成したときに与えられる称号などが挙げられる。
加藤氏は「ソフトベネフィットはとても大きな可能性を秘めている」と語る。たとえば、商品企画に参加できる権利もソフトベネフィットの1つだが、これはブランド好意度を高めるポテンシャルを秘めている。
先ほど紹介したVANS、THE NORTH FACE、Fleet Feetのすべてがハード・ソフトのベネフィットを組み合わせながら、カスタマージャーニー上の様々な接点でつながりを作っている。すでにロイヤルティプログラムを提供している企業も、「ハードベネフィットに偏っていないか?」という視点を持つ重要性が加藤氏の話から理解できるのではないか。
付加できる新たなブランド資源の検討が必要
加藤氏はセッションの最後、現在の自社のブランド資源を見つめ直す重要性について語った。ブランド資源を見つめ直すことで、自社ブランドだからこそ提供できるレコグニションやリワードの機会、ハード&ソフトベネフィットが見えてくる。
ブランド資源を見つめ直すポイントは「自社のブランドの特徴とカスタマージャーニー上の特性を合わせて考えること」だという。
「たとえば製品やブランドの差別化強度を縦軸に、横軸には製品購買サイクルの長さを置いた図を作成します。図の中で自社ブランドがどこに位置づけられるかで、ハードベネフィット、ソフトベネフィットのどちらを強化すべきか、それともハイブリッドで取り組むべきかが変わってきます」(加藤氏)
加藤氏は認知から購買、購買後の口コミまで、カスタマージャーニーのどのステージに力を入れるのかが整理できるフレームワークを紹介し、セッションを締めくくった。
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