※本記事は、2022年10月25日刊行の定期誌『MarkeZine』82号に掲載したものです。
初代CDOとしてジョインしたルゾンカ氏のミッション
コスモエネルギーホールディングス株式会社 常務執行役員 CDO ルゾンカ典子氏
米国で心理学博士号取得後、米国大手自動車保険会社のR&Dにおける顧客・商品分析の経験を経て、2006年に帰国。主に外資系金融機関で、ビジネスアナリティクス部門の立ち上げをリード。マーケティング関連分析、顧客分析、商品開発など、統計分析やデータ利活用に基づく意思決定を促進。2021年11月より現職。
──はじめに自己紹介をお願いできますか。
私は、米国の自動車保険会社で、データアナリストとしてキャリアをスタートさせました。日本に帰国してからも外資系企業でのキャリアが長く、特に金融業界で多く経験を積んでいます。コスモエネルギーホールディングスには、昨年の11月に初代CDOとしてジョインしました。着任後に立ち上げたコーポレートDX戦略部に加え、今年4月からはコーポレートコミュニケーション部とIT推進部も統括して見ています。コーポレートコミュニケーション部はグループ全体のブランディングと広報を統率する役割があり、機能としてはCDO、CMO、CIOを担っているような形ですね。
──現職に就かれた当時、ルゾンカさんの目にコスモエネルギーホールディングスという会社はどのように映っていましたか?
エネルギー業界は、今いろいろな意味で大きな動きがあります。「これからエネルギー問題をどうしていくか?」というのは、複数ある社会課題の中でも大きな課題です。コスモエネルギーホールディングス単体の話ではなく、このエネルギー業界全体がたくさんの課題を抱えていて、これからどんどん変わっていく必要があります。私は、「課題はいっぱいあるほうが楽しい」と思うタイプなので、この会社にジョインする前は、純粋にワクワク・ドキドキの気持ちしかありませんでした。
また、「DXはこの会社が変革を遂げるためのイネーブラーになるだろう」ということは、着任前に役員の方々とお話しする中で感じていました。もちろん、私が入るまでに、DX推進の動きがまったくなかったわけではありません。グループ内それぞれの会社、それぞれの部署でみなさんが業務改革やデータ活用の強化に向けて尽力されていました。ただ、そのような中で、私が自分の役割として認識したのは「グループ全体を見て、DX戦略をオーケストレーションしていくこと」です。加えて、「データを情報に変えて意思決定できるような、データドリブンな組織にしていくこと」「そのための人を育てていくこと」も重要なミッションであると考えていました。