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広告出稿で押さえておきたい、メディア品質&配信面の最適化

高額被害・ブランド毀損の可能性も コネクテッドテレビ環境における広告品質の3つの課題

3.ビューアビリティ(視認性)

 広告がユーザーに見られる機会があったかどうかを示す「ビューアビリティ」は、あらゆるデジタルメディアにおける広告主にとって重要な業績指標であり、特に米国でのCTVにおいては、CTVチャネルへの広告投資が続いているため、重要な指標となっています。

 デジタル動画のビューアビリティ率を測定するために、広告主はこれまで、動画プレーヤー内で動作するプログラムコードであるVideo Player-Ad Interface Definition(VPAID)に依存して、ユーザーがどう広告とエンゲージメントしていたかの洞察(インサイト)を獲得してきました。

 しかし、VPAIDはCTV環境ではサポートされていません。このため、広告主はすべてのCTV環境が完全に視聴可能であると思い込んでいるかもしれませんが、実際にはそうではないのです。

 最近の調査では、毎年約10億ドル相当のストリーミング広告が、人々が既にテレビを消した後に再生されていることが判明しています(参照元:WSJ「Some Ads Play on Streaming Services Even When the TV Is Off, Study Finds」2022年6月12日)。また、2022年2月には、DoubleVerifyが初めて、CTVを視聴する上位視聴環境の4分の1が、テレビを消した後も番組コンテンツを再生し続け、広告インプレッションを記録していることを明らかにしました。

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©andov – stock.adobe.com

 明らかに広告が見られていないのに課金され続けるわけですから、広告主にとっては見過ごすことのできない問題です。また、多くのトップアプリでは、広告インプレッションの50%が再生開始から視聴完了の4分の1に到達する前にドロップするという分析もあります。

 DoubleVerifyは、CTVへの投資において広告主を保護するべく、複数のソリューションを開発し、MRC(※)公認のフルオンスクリーンでの測定や四分位での進行状況の測定など、ビューアビリティの課題に対応するソリューションを提供しています。広告主がすべてのデバイスで一貫して動画公告に関するキャンペーンのパフォーマンスを正しく把握し、比較検証できる環境を整えていくことも今後の広告業界の課題と考えています。

 ※Media Rating Councilの略。 米国メディア調査会社の監査や認定審査を実施する業界団体

CTVにおける広告品質検証の環境整備へ

 CTVの普及などによって消費者の視聴環境の細分化が進むにつれ、すべてのフォーマットとデバイスを含む総合的なテレビ/ビデオ戦略の重要性は今後ますます高まってくると考えられます。それにともない広告主は、CTVを利用してターゲットを絞ったメッセージングをよりクリエイティブに展開する必要があります。

 CTV環境におけるメディア品質を向上させ、透明性を確保し、健全で信頼できるエコシステムを構築するために、これからも広告業界に関わるすべてのステークホルダーが、アドベリフィケーションの重要性を理解し、広告の効果を改めて考えていける環境を整備していく必要があるでしょう。

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この記事の著者

中村 晃(ナカムラ アキラ)

DoubleVerify Japan マーケティング ディレクター。同志社大学卒業後、(株)東芝にて営業部門および宣伝部門でキャリアをスタート。その後、アップル、アドビ、Twitter、IBMなど外資系企業にて一貫してマーケティング業務に従事し、マーケティング部門責任者などを歴任。青山学院大学大学院 国際マネジメン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/11/17 08:00 https://markezine.jp/article/detail/40455

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