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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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広告出稿で押さえておきたい、メディア品質&配信面の最適化

単に見られているかより、どのように見られているか。デジタル広告の成否を決めるアテンションの測定と指標

 広告出稿におけるメディア品質と配信面の最適化をテーマに、アドベリフィケーションソリューションを提供するDoubleVerify(ダブルベリファイ)のマーケターがトレンドを解説する本連載。第2回となる本稿では、情報過多の環境において再確認すべき消費者の「アテンション(関心)」の重要性、そしてプライバシーに配慮したアテンション測定と、パフォーマンス向上のために着目すべき指標を語る。

18ヵ月で約2倍、爆発的に増えるトラフィック

 今日、テクノロジーの進化とともに、ネットワークの高度化およびインターネットの普及、従来のパソコンに加え、モバイルデバイス、タブレット、さらにコネクテッドTVと言われる新しいデバイス環境が市場に浸透し、消費者は日々膨大な量の情報量に触れています。

 総務省発表の令和4年度の情報通信白書によると、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響もあり、2019年11月から2021年5月までの18ヵ月で、日本でのインターネットトラフィックは約2倍に増加しました。また、世界のIPトラフィックは、現在と比較して2030年には30倍以上、2050年には4,000倍に達するという予測もあり、日本においても今後、引き続きトラフィックの増加が見込まれます。

インターネットトラフィックの推移 (固定系ブロードバンド、ダウンロードトラフィック)総務省「情報通信白書令和4年版 概要(PDF) 」より抜粋

 このような膨大な情報が溢れている環境において、マーケティングの世界でも膨大な数の販促活動が繰り広げられています。様々な広告メッセージが企業から発信され、なんとか消費者の関心(アテンション)を引こうとしていますが、それぞれの企業が設定するターゲット層にリーチし、ブランド認知を高め、マーケティングの目的を達成することは一層難しくなっています

情報過多の環境で消費者のアテンションを集めるための戦い

 米国での少し古いデータにはなりますが、2007年以降、メディアと広告の状況は大きく変化しました。14年前、The New York Timesは、消費者が1日に5,000の広告を目にするとレポートしていました。一方、2017年のForbes誌では、この数字が10,000にも上ると推定しています。今日のトラフィックの増大を考えると、さらに多くの広告を目にしていると容易に想像できます。

画像を説明するテキストなくても可

 冒頭で述べたように、2020年には新型コロナウイルス感染症の拡大による影響も重なり、コンテンツ消費とそれにともなう広告が爆発的に増えています。DoubleVerify(以下、DV)とSapio社の消費者調査によると、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まって以来、消費者の視聴時間(スクリーンタイム)は2倍に増加しています。これは、一人当たり平均して毎週25.54時間ものコンテンツを消費していることになります。

画像を説明するテキストなくても可

 こうしたコンテンツ消費の新時代において、消費者の関心(アテンション)は今や希少価値であり、広告主企業からすれば、いかに消費者に対してより優れたユーザー体験価値を提供し、消費者のアテンションを獲得するかが非常に重要になってきています。

 たとえば、消費者は、TikTokやYouTubeコンテンツを見る場合でも、そのコンテンツが自分にとって関連性があるのかどうか、意味があるものかどうかという視点をしっかりと持ってコンテンツを見ています。一方、マーケターは、消費者のアテンションが重要であるということは理解しながらも、ますます、それが希少な天然資源であるという現実の中で、ターゲットオーディエンスに効果的にリーチし、マーケティングの目的を達成するために苦労しているのが現実です。

 広告主にとって「自社の広告が目に留まる機会があった」というだけでは、もはや十分ではありません。広告主は自社の広告が消費者にインパクトを与えていることを認識する必要があります

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この記事の著者

中村 晃(ナカムラ アキラ)

DoubleVerify Japan マーケティング ディレクター。同志社大学卒業後、(株)東芝にて営業部門および宣伝部門でキャリアをスタート。その後、アップル、アドビ、Twitter、IBMなど外資系企業にて一貫してマーケティング業務に従事し、マーケティング部門責任者などを歴任。青山学院大学大学院 国際マネジメン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/08/31 08:00 https://markezine.jp/article/detail/39743

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