Q1.最近、いちばん感銘を受けた書籍とその理由は?
『キリンを作った男 マーケティングの天才・前田仁の生涯』です。大手企業の中で、マーケターとして波瀾万丈な人生を歩まれていく様子は小説を読んでいるようで、読み物として単純におもしろかったのであっという間に読み終えてしまいました。一番搾りで大ヒットを記録したにも関わらず、まさかのワイン部門に異動させられてしまい、その後ビール部門に復帰するやいなや再びヒット商品を開発される様子は、「日本のスティーブ・ジョブズ」と言えるように感じました。
同じマーケター/ビジネスパーソンとして感銘を受けたという意味では、とにかくピュアに「マーケターとして売れる商品を作りたい」という思いで仕事に向き合われている姿勢です。社内政治や派閥争いなどが起こる中で、市場や時代の流れに向き合い、どんな商品を作ればヒットするのかという顧客価値を突き詰めていく姿勢は、どんな時代であっても変わらず必要なことなんだと感じました。
前田氏のやり方は、マーケティングの基本に沿ったものです。顧客になり得るターゲットを徹底的に分析して絞り込み、顧客にとっての価値を、製品を通じて提供していくことを追求しているようにみえます。この姿勢から、どんな時も基本に立ち返って考えていくことの重要性を改めて認識させられました。
Q2.「マーケターならこれを読むべし!」という書籍とその理由は?
小霜和也さんの『ここらで広告コピーの本当の話をします。』です。これは私がメルカリ入社直後にテレビCMキャンペーンに担当者として携わることが決まった際、色々な書籍を読んで勉強していた中で出会った一冊です。CM制作未経験だったので、広告代理店で働いていた知人や、事業会社でマーケティングを担当されていた先輩などから話を聞きましたが、それと同じくらい、プロジェクトを進める上で参考にさせてもらった書籍でした。
タイトルの通り、広告のコピーライティングに関する書籍なのですが、コピーライターを目指している人だけに向けて書かれているのではなく、マーケティング・広告の役割や、テレビCMでどうすれば商品の魅力を伝えられるのかなど、日々の業務面でもとても役に立つことが多かったです。
実際にメルカリでテレビCM関連の業務をしている際に、この書籍から学んだことを意識しながら進めた部分も多かったので、まだ読んだことがないマーケターの方がいれば、読んでいただきたい一冊です。ちなみに小霜和也さんは他にもいくつか著書がありますが、どれも読むと新しい発見があり参考になるものばかりですので、それらも合わせて読んでいただくとより理解度が上がるかと思いますのでおすすめです。