SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

【特集】Web3、メタバース、NFT──最新技術がマーケティングに及ぼす影響

メタバースで消費行動・ビジネスはどう変わる?仮想空間で問われる「サービスの本質的な価値」

なぜ今、メタバースは注目されているのか?

──先ほどの図で見ると本当に様々な分野からメタバースへの流れがあるので、現在は「うちの会社には関係ない」と思っている企業もあると思いますが、実はいろいろな企業に関わってくる可能性がありますね。SNSの延長線上にメタバースがあるのならば、今SNS公式アカウントを運用している企業も多いですし、あらゆる生活者や企業に関連してくると思います。

波多間:そのとおりです。メタバースというとゲーム業界の話題と考える人もいますが、領域は広がっています。

──なぜこれほどメタバースは注目を集めているのでしょうか。

波多間:昨年Facebookがメタバース事業に巨額の投資をすることを発表し、社名もMetaに変更した影響が大きいでしょう。ニュースを聞いた人ほとんどが「あのFacebookがいうのだから間違いなくメタバースのトレンドが来る」という感覚にひたったことがこれほど注目された要因だと思います。

 ただしMetaの発表前にもその兆候はありました。先ほどの図で示したようにいくつかの方向からバーチャル空間に至る流れがあり、さらに通信技術やスマートフォンのスペックも年々向上しています。たとえMetaがあの発表をしなくても、いずれバーチャル空間で何かをするという流れは盛り上がってきたのではないかと思います。

 振り返ればメタバースのようなサービスは以前もブームがありましたし、メタバースという概念自体は古くからあるものです。以前はPCのスペックや通信速度の問題がありましたが、現在はテクノロジーの進化が進み、その概念の具体像が少しだけ見えてきたという状態です。

既に生活の一部となりつつあるメタバース

──メタバースの普及によってビジネスにどのような変化が起きるのでしょうか。また消費行動の変化やサービスの変化、コミュニケーションの進化など、今後起きる変化についてご意見をお聞かせください。

波多間:当社もメタバース開発を行っていますが「仮想空間で誰かとリアルタイムに体験を共有すること」の価値が少しずつ上がってきていると思います。言い換えれば、人の行動の選択肢の一部にメタバース体験が少しずつ入ってきているということです。

 実際にスポーツ観戦でもそうした動きが出ています。一例を挙げると、当社と広島テレビ放送が共同で開発した広島カープファンに向けたメタバースサービス「メタカープ」があります。これはメタバース空間の中にカープファンが集まり、試合中継を見ながら一緒に応援する体験を提供しています。

「メタカープ」体験イメージ
「メタカープ」体験イメージ

波多間:アバターを着替えたり、スタンプを押して感情を表現したり、チャットで応援して側にいる人と会話をしたり、応援したりヤジを飛ばしたりなど、ボタンを押していろいろなモーションを起動できるので、スタジアムに行って自分がやりたい応援をメタバース空間のなかでできるようにしました。

──これは既に実施しているサービスなんですか?

波多間:そうです。最大5,000人が入れる空間になっており、ホームゲーム時に実施しています。県外のファンの方などホーム球場になかなか来られない方が、一人でテレビ観戦するのではなくファンと一緒に応援することができるので、毎回数千人が出入りする活発なメタバース空間になっています。

 このようにメタバースは自分と同じ趣味や嗜好を持つ人と出会ってすぐに意気投合しやすいという特長があります。実際にこういう事例を見ていると、コミュニケーションがメタバースによって変わってくるのではないかとも思っています。

次のページ
「サービスの本質的な価値」が問われる時代がやってくる

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
【特集】Web3、メタバース、NFT──最新技術がマーケティングに及ぼす影響連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2022/11/29 09:30 https://markezine.jp/article/detail/40647

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング