友達と家でゲームをしていた、あのときの居場所を作り出す
──ミラティブがサービス運営をしていく中で大切にしていることを教えてください。
ミラティブは「わかりあう願いをつなごう」というミッションを掲げています。どれだけテクノロジーが発達しても「なかなかわかりあえないこと」が存在し、戦争はなくならず、社会の分断は広がっています。ミラティブでは、好きをきっかけにつながりや居場所が生まれて、ミラティブ以外のところでも自らの生活が豊かになっていくことを目指しています。昔は友達の家に行って一緒にゲームをすることでつながりが生まれましたが、その世界観をバーチャルで作り出せるよう、これまでサービスを提供してきました。
──ミラティブは配信者比率が約30%と他の配信プラットフォームに比べても高いこと、約89%が少人数で双方向のやり取りが行われるコミュニティ型配信であることを特徴としています。そのような場所を作るためにミラティブでは、どのような仕掛けを行っているのでしょうか。
まず、スマホ一つで配信が行える機能的価値がこのような特徴を生んでいると思います。加えて、コメントが来やすくなる仕組みを導入しています。1配信の視聴者数が少ないコミュニティ型配信を中心とすることで、配信者が視聴者のコメントを見逃さずに拾うことができ、双方向コミュニケーションを活発化しています。
その他にも、配信する言い訳を意図的に作っています。いきなり配信を行うのに抵抗がある人もいると思いますが、配信をするとゲームで使えるアイテムをプレゼントするなどのインセンティブを付与することで「アイテムがもらえるから配信している」という言い訳を提供しています。
そして、実際に配信をしてみたら趣味の合う友達が入室してきて、話が弾んでまた配信したくなる。そのようなサイクルを回すことを心がけています。
人気者を作るメディアではなく、友達を作るコミュニティに
──ついライブ配信となると視聴者が多いほうがいいのではと思いがちですが、少ないからこそのメリットもあるんですね。
ミラティブはメディアではなくコミュニティなので、ミラティブが自分の居場所であると感じてもらえることが重要だと考えています。たとえば、スマホゲームで10連ガチャを一人で回して、特にレアなアイテムやキャラクターが出なかったらむなしくなると思います。でも、ミラティブでガチャの様子を配信することで、仮に結果が悪くても「草w」とか言われてそれが話すネタになります。同じ出来事でもコミュニケーションが発生するんです。
また、少人数で顔出し配信をするのに緊張する方もいると思いますが、ミラティブではアバターを使って顔出しせずに配信できます。また、先ほどのガチャの例のように、ゲーム内の様々な出来事が話のネタになるので、話すのがそんなに得意じゃない人でも配信ができてしまうんです。