チーズカテゴリーで高い想起率の「キリ」
久保:今回は「キリ」ブランドのInstagramの活用について、ベル ジャポンの畠中様にお話を伺っていきます。まずは畠中様の業務領域やミッションをお教えいただけますか?
畠中:私は2020年にベル ジャポンに入社し、シニアデジタル&メディアマネージャーとして、日本と韓国におけるキリのデジタルメディアコミュニケーションのプランニングと実施を行う専門スタッフとして仕事をしています。またそれ以外にもオウンドメディアの運営や各種媒体からの問い合わせなど、広報的な業務も担当していますね。
キリは、フランスの会社であるベルの保有するブランドの一つで、日本ではベル ジャポンが取り扱っています。ベルグループは世界で初めてチーズ製品にブランディングの観点を取り入れ売り出しました。キリは日本での認知度も高く、ある調査では「チーズといえば?」という問いに対し、キリブランドが高い非助成想起率を獲得しています。
畠中:ベル ジャポンが設立されたのは2005年。日本のユーザーとのマーケティングコミュニケーションを一層強化し、ブランド力を高めていくために設立されました。2019年秋にコーポレートスローガンが「For All, For Good」へ変更され、すべての人に健康的な食を提供したいという想いのもと、新製品の発表や既存製品のリブランディングを通じ、ユーザーとの関係構築を進めています。
食と向き合い、若年層のトレンドを把握
久保:顧客との関係構築、特に若年層との関係構築について伺います。Instagramの運用など精力的に活動されていますが、取り組みにはどのような背景がありますか?
畠中:キリが日本で発売されてから来年で40年となります。幅広い年代の方に認知されお召し上がりいただいていますが、ブランドの長期的な成長を考え、ミレニアル世代やZ世代の方々にキリのブランドや商品について知っていただき、若年層との関わりも増やしていきたいと考えていました。
ブランド価値をお伝えするべく年間を通じて様々なキャンペーンや広告出稿、タイアップなどを展開していましたが、その過程でInstagram運用も始まりました。
久保:畠中様は、ご自身でInstagramの運用経験もあり若年層のトレンドをかなり把握されているかと思います。どのように情報収集をされているのでしょうか?
畠中:私たちは食品メーカーなので、食という文脈に対し若年層を含めターゲットとなる方々が、今、食とどのように向き合っているかを考える必要があると思っています。
そのため、食ジャンルのインフルエンサーの方が発信されている内容はもちろん、食以外のジャンルで活躍するオピニオンリーダーがおすすめする飲食店などに注目し、食に感度の高い方々の間でのトレンドや一般の方々に注目されている食の側面について、幅広く情報収集しています。
また、実際にレストランやスーパーへも足を運び、お料理やスイーツがどのように楽しまれ、SNSでどのように語られているかを観察しています。
また飲食系プレスリリースをまとめているWebサイトなどもチェックし、フードカテゴリー全体の大まかな傾向も把握するようにしています。