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第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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事例で学ぶ、Z世代・ミレニアル世代へのアプローチ

ユーザー目線を持ち、あるときは「中立」で。ドンキに聞いた、若年層に響くSNSの使い分け

 若年層のトレンド研究グループ「Spark!」を展開するトライバルメディアハウスとともに、様々な企業によるZ世代・ミレニアル世代への取り組みを紐解く本連載。第2弾はドン・キホーテ(以下、ドンキ)をゲストに、注目を浴びるSNS運用の秘訣をうかがいました。

Z世代従業員の声を参考に新業態づくり

久保:まずは、ご担当の業務やこれまでのキャリア、専門領域などについてお話しください。

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株式会社トライバルメディアハウス マーケティングデザイン事業本部 ビジネスプロデュース部 リードシニアプロデューサー Spark! 副所長 兼 Instagramチームリーダー 久保杏菜氏

増田:Twitter担当の増田です。2018年10月に入社し、以降ドンキのソーシャルメディアマーケティングを中心にSNSのアカウント運用、販促宣伝に従事してきました。

 前職ではクラウドファンディング事業のソーシャルメディアマーケティングとファンマーケティングに携わり、そこで培った経験を生かし、TwitterをはじめInstagram、Facebook、TikTok、YouTubeなども同じ部署で運用しております。

さとぺん:YouTube担当のさとぺんです。2010年4月に新卒入社し、店舗の現場でブランド品担当からキャリアをスタート。3店舗経験した後、グループ戦略部での業務や、シンガポール進出時の現地法人立ち上げ、グループ企業のM&Aを行い、UNY(ユニー)に出向。出向から戻った後はIRと経営企画、秘書室を兼務しました。2021年4月から現職、YouTubeで週に1本動画をアップしています。

森:トライバルメディアハウスの森です。2021年から2022年3月までドンキ様のSNS活用の支援をしていました。具体的には、Instagramの画像作成のサポートから月1回のミーティング、SNSのトレンドについての共有や、SNS全般のご相談相手までありとあらゆる支援をさせていただいていました。

久保:本連載ではZ世代・ミレニアル世代のアプローチをテーマとしています。御社では若年層へのコミュニケーションの方針をどのように考えていらっしゃいますか?

増田:ドンキも他企業様と同様に、若年層との関係構築は重要と考えています。

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株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス ストアプロモーション本部 SP企画部 プロモーションサポート課 サブマネージャー 増田氏

増田:それにともなって2022年5月に10代~20代前半のZ世代といわれる世代をターゲットとした新業態『キラキラドンキ』をお台場のダイバーシティ東京 プラザにオープンしました。プチプラコスメや韓国系、アジア系のお菓子を中心に、SNS映えする商品を各種取り揃えており、オリジナルのドリンクやワッフルなどをテイクアウトできる業態となっております。

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増田:これまでは僕たちのような中高年世代が中心となって店づくりをしていました。今回はそれに代わり、Z世代の従業員の意見を積極的に取り入れ、SNSで話題のアイテムや最新のトレンドアイテムを取り揃え、また従業員が実際に商品を試したリアルな声を生かし、SNSのタイムラインのようなPOPを店頭に展開しています。

久保:10代~20代前半のZ世代従業員の声はどのように吸い上げたのでしょうか。

増田:10代~20代前半の従業員を会議室に集め、店舗責任者も同席する中で、流行っている商品などについてディスカッションしています。ドンキでは10代~20代前半の従業員が沢山働いていて、上層部でもその声を吸い上げることを重要視しています。

 オープン後の反響として、Twitterでは「#キラキラドンキ」「#キラドン」といったハッシュタグで様々な投稿がされていました。店舗でもオープン初日から長い行列ができるほどの盛況ぶりとなって実際に効果がうかがえました。

久保:我々もターゲットに自分ゴト化してもらえる施策が重要だと常々考えています。ターゲットとなる消費者の目線に近い人の声を生かすというのは自分ゴト化への近道ですね。

トレンドに乗るときは徹底調査。知ったかぶりを防ぐには

久保:増田さんはSNS上でも特に若年層とのコミュニケーションを担当されているようですが、『キラキラドンキ』のターゲット層をはじめとして顧客理解、トレンド理解をどのように実践していますか?

増田:基本的にはエゴサーチ、ソーシャルリスニングを中心にして、ネット上でどんな事柄、商品が話題になっているかをチェックしています。その際は、その商品が話題になっている理由、背景、話題になったきっかけまでを遡って調べようという姿勢で臨んでいます。

 というのも「ネット上で流行っているから乗る」と言うと、どうしても知ったかぶりになってしまうんです。なるべくそのトレンドの背景まで調べ上げたうえで話題発信をすることで、実際にトレンドの主体となっている側の方々に、受け入れてもらいやすくなると思っております。

久保:流行から起案した投稿には、たとえばどのようなものがありますか?

増田:2021年11月29日に、日付の語呂合わせから「#いいにくいことをいう日」がTwitterのトレンドで話題になっていて、ドンキとして言いにくいことは何だろうと考え「ぶっちゃけ安くないのもある」と投稿したところ、12万を超えるいいねをいただきました。

 そもそもトレンドに乗ることには危険がともなうんですね。そのため、当社では自分たちに関することのみネタとして扱うようにしています。この投稿もそのルールに基づいて、誰かのことを話すというより、自分たちのことをネタにしたことがポイントです。

久保:若年層はトレンドに敏感な分、人を傷つける言葉やワードチョイスというところに対してもとても敏感な方が多い印象です。ネットリテラシーが高い方も多いため、そこはどの企業様もなるべく気をつけていただきたいですね。

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この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/09/15 09:00 https://markezine.jp/article/detail/39583

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