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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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【特集】2022年の急上昇ブランド~本質的なブランディングの核に迫る~

選ばれ続けるブランドの確立を目指す。ANAが徹底した顧客起点で取り組むCX戦略

顧客のニーズ、インサイトを捉える仕組み

――具体的には、どのように顧客の声やニーズを捉えているのでしょうか?

 大きくは「1.全社横断のレポートシステム」「2.お客様アンケート」「3.CX基盤の活用」の3つの方法で、お客様のニーズを捉えています。1つ目の全社横断のレポートシステムは、お客様からいただいたご意見や現場の係員の気づきなどを拾い、社内で共有するためのものです。1年間に7万件以上のレポートが社員からあがっており、重要な課題があれば改善策を実行し評価するところまで、PDCAを回しています。

 2つ目のお客様アンケートについては、目的に応じて複数のサーベイを行っています。たとえば、過去 6 ヵ月の間にANA便を利用されたお客様にANAに対する印象を聞く「CX Survey」と、直近1週間内にANA便を利用されたお客様に同じくANAに対する印象を聞く「Daily Survey」があります。CX Surveyで調査するのは、搭乗体験を今一度振り返って、お客様がANAをまた利用したいと思うかどうかです。これにはお客様とブランドとのリレーションシップを分析する目的があり、調査結果をNPSで評価しています。CX SurveyもDaily Surveyも、アンケートの設問の内容は大きく変わらないのですが、やはり回答の内容や傾向は大きく変わってきます。Daily Surveyでは利用体験について細かな意見があがってくるので、たとえば「チェックインの方法を変更してみたが、お客様の反応はどうだったか?」など、各現場でPDCAを回しやすいデータが得られます。このほかにも、便の遅延や欠航などイレギュラーに遭遇されたお客様に対する調査や、移動に関するお客様の今のマインドを伺う調査など、定常的に計5つのサーベイを回しています。

 お客様の声やニーズをとらえた上で様々な課題解決を行っていくのですが、その際に有効となるのが「CX基盤」です。これまでは、お客様の各種データはそれぞれの部門システムで管理していましたが、4年前にそれらすべて統合するデータ基盤を構築しました。これにより、各部門間の情報共有やサービスの引継ぎがしやすくなり、お客様情報を活用したコミュニケーションが行いやすくなりました。多様化するお客様ニーズに対応できるようコミュニケーションのパーソナライズ化にも取り組んでいきたいと思います。

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CX向上の先に、中長期的な収益の拡大を目指す

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/12/21 09:30 https://markezine.jp/article/detail/40700

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