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第102号(2024年6月号)
特集「ブランドは気まぐれな消費者とどう向き合うべきか?」

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【特集】2022年の急上昇ブランド~本質的なブランディングの核に迫る~

選ばれ続けるブランドの確立を目指す。ANAが徹底した顧客起点で取り組むCX戦略

 C Space Tokyoが発表した「顧客体験価値(CX)ランキング2022」で、ANAは3位にランクイン。前年の7位から4つのランクアップを果たした。コロナ禍で苦境に置かれながら、いかにCXの価値向上を実現したのか? 全日本空輸 CX 戦略部 部長の久沢弘太郎氏に近年の取り組みの詳細を尋ねると、経営陣も含め全社一丸となって顧客と向き合う真摯な姿勢があった。

CX向上の軸にある「カスタマーインの発想」

――はじめに、ANAがどのようなCX像を理想として掲げられているか教えてください。

 ANAは、世界中のお客様から選び続けられるブランドになることを目指したブランド戦略を実行しています。その軸にあるのがANAのタグライン「Inspirationof Japan」で、これはお客様に感じていただきたいブランド価値として策定したものです。日本の航空会社であるANAブランドがグローバルのマーケットでより広くブランド価値を提供していくにあたって、何かしら日本らしさを感じてもらいたいということで、「Inspiration of Japan」に必要な要素として「Caring:寄り添う心」「Sparkling:楽しさ・ワクワク感」「Japan Quality:日本が誇る基本品質」の3つを掲げています。

全日本空輸株式会社 CX推進室 CX戦略部 部長 久沢弘太郎氏1991年ANA入社。客室部門で客室乗務員のマネジメント業務に従事した後、勤労部で福利厚生制度の見直しなどを行う。2007年より旅客サービス部にて、空港サービスおよびグランドスタッフのマネジメントに従事。直接接客業務に携わってきた経験を活かし、2022年よりCX戦略部にてカスタマーインのCX 価値創造に注力する。
全日本空輸株式会社 CX推進室 CX戦略部 部長 久沢弘太郎氏
1991年ANA入社。客室部門で客室乗務員のマネジメント業務に従事した後、勤労部で福利厚生制度の見直しなどを行う。2007年より旅客サービス部にて、空港サービスおよびグランドスタッフのマネジメントに従事。直接接客業務に携わってきた経験を活かし、2022年よりCX戦略部にてカスタマーインのCX 価値創造に注力する。

 また、この「Inspiration of Japan」のベースには、ANAグループの行動指針「あんしん」「あったか」「あかるく元気!」があります。当然ですが、Caring/Sparkling/Japan Qualityを作っていくためにどんな行動をすべきか、などのマニュアルがあるわけではありません。至るところで繰り返されているこの行動指針はANAグループの社員に深く浸透しており、結果的にこれらがANAのブランドイメージに繋がっていくのだと思っています。

――久沢さんが所属されているCX戦略部は、どのような組織なのですか?

 CX戦略部は2019年4月に発足した組織です。立ち上げの目的は、従来のプロダクトアウトのサービス提供から、お客様の声なき声までをも捉えたカスタマーインのブランド作りに挑戦すること。空港や機内などのリアル接点だけでなく、SNSやアプリ、広告コミュニケーションなどANAブランドを感じ得るあらゆる接点において、カスタマーインの発想でCX向上を目指した取り組みを行っています。

 ANAとお客様との接点を整理すると、ご旅行の前から空港、機内、ポストトラベルまで、全部で28のシーンがあります。お客様は28のシーンすべてを通してANAブランドを体験されるので、我々も一連の体験を通してCX向上に取り組んでいく必要があるのですが、縦割り組織による分断が原因でなかなかこれが実現できていませんでした。たとえば、荒天による欠航のお知らせのメールをお送りしたときに、同じタイミングで年末年始のご旅行を提案するメールを営業部からお送りしてしまったり。ラウンジで搭乗案内の放送を聞いてから搭乗ゲートに行ったのに、ゲートではまだ案内が始まっておらず結局待つことになってしまったり。それぞれの持ち場で自分たちのミッションだけを考えていると、このようにサービスがかみ合わなくなってしまいます。

28のシーン
【画像をクリックして拡大】ANA利用における28のシーン

 一連の接点でカスタマーインのサービス提供に取り組むというのは非常に重要なのですが、ANAの事業においてはとても難しいことなのです。CX戦略部を中心に全社でこうした課題や組織間の壁に挑戦し、お客様のニーズを捉えたサービスの提供に取り組んでいます。

――CX戦略部がハブになって、CX向上に取り組んでいるのですね。その際、CX戦略部はどこまでの役割を担っているのですか?

 まずはお客様のニーズを捉え、各部門に共有すること。その上で、それぞれの部門と日々連携を取りながら、CX向上に向けた取り組みを行っています。CX戦略部がすべての領域において権限を有しているわけではないので、データや調査の結果をもとに、仮説やアイデア、施策後のフィードバックを共有しながら、一緒にPDCAを回していく形です。場合によっては、CX戦略部のメンバーとその現場のメンバーで横断的にチームを組み、プロジェクトを進めていくこともあります。

~インターブランドジャパン 代表 並木将仁氏より選定理由に関するコメント~

 コロナ禍で飛行機に乗る回数が限られる中、「CX ランキング2022」でランクアップを果たしたANAは、ブランド体験には直接的な機能価値によらない部分もあるということを気づかせてくれました。また、「CX ランキング2022」の調査でANAをポジティブなブランドとして挙げた回答者のほとんどは、過去にANA の利用経験を有していました。つまり、体験が更新されなくても、過去の体験記憶が浮かび上がってくるくらい、高い体験価値をサービスのフロントラインで提供できていることの裏付けでもあるわけです。ブランド体験価値とは何か、またそれが持つ持続性について考える良いきっかけになると思います。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/12/21 09:30 https://markezine.jp/article/detail/40700

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