自動最適化の弊害を解決する「RMP - SQREEM Ads」
──楽天スクリームが提供しているソリューションについて教えてください。
吉田:我々が現在提供しているのは、楽天会員に基づく消費行動分析データとオンライン上のオープンデータをAIによって分析し、最適な配信セグメントを生成して各種SNSをはじめとした広告の運用を支援する「RMP - SQREEM Ads」というプロダクトです。
現在、SNSをはじめとした各種プラットフォーマーが、AIを活用した運用型広告の自動最適化機能を提供しています。非常に便利な機能である反面、効果や効率が急に悪化した際に、クリエイティブを差し替える、より多くの予算を投下するといった以外の改善方法がないという課題を抱える広告主様も、少なくないと考えています。また、ある程度の予算規模を投下できる企業様でないと、大手プラットフォーマーの提供する自動最適化が進まないことを課題に挙げる企業様もいます。
「RMP - SQREEM Ads」では、AIを活用した行動パターン分析データをもとにターゲティングができるため、通常の広告配信とは異なるセグメントでリーチを広げながら、コンバージョンにつなげられるのです。
ターゲット情報に深みを持たせる「楽天スクリーム」
──「RMP - SQREEM Ads」ならではのセグメントが、より高い効果をもたらすとのことですが、具体的にはどのようなセグメントが作成できるのでしょうか。
吉岡:保険のサービスを展開している企業さんを例に考えてみます。通常であれば、提供する保険商品に相性の良いユーザー層へのターゲティングや、保険に興味関心を持つライフステージやイベントを想定した広告施策を進めると思うのですが、その施策では、たとえば直近1ヵ月以内に保険を契約しすでに意思決定を終えたユーザーや、直近で保険を契約する意思のないユーザーなども含まれてしまいます。そして、このようなデータの活用方法は、ターゲティングを絞り込んでいく手法となり、リーチの規模や2回目以降の施策の改善が難しいことも多いです。
一方、「RMP - SQREEM Ads」では、まずSQREEM社のAIが30億人規模の膨大なオープンデータを分析し、広告主様の保険商品に興味のありそうな生活者の行動パターンを分析し、複数のセグメント候補を出します。そこに楽天が蓄積する消費行動分析データを突合し、より深いインサイトを導き出します。
先ほどの保険サービスの例であれば、たとえば一見保険とは関係が深くなさそうな“オーガニック食品に関心のある30代”という傾向をSQREEM社の行動パターン分析でつかみ、 “父の日にプレゼントを贈る層”などを楽天会員に基づく消費行動分析データをもとに分析する。その結果、“親に健康でいてほしいために、オーガニック食品に関心のある30代”という、保険サービスと相性が良い、より行動パターン軸の具体的なペルソナが導き出されます。このようなセグメントを用いたSNS広告の配信から高い効果が出ることも多く、広告主様と相性の良い行動パターンを発掘していくようなアプローチに、ご好評をいただいています。