SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

250万人規模のデータで解説!今月の消費トレンド速報

続くサウナトレンド、今後狙い目の市場は?/「自宅サウナ」のターゲットは「ニューリッチ層」

サウナ市場、成長の期待値が高いカテゴリは?

 サウナブームの高まりとともに、サウナ市場では業態の多様化が進み、様々なシーンで“サウナ”の選択肢が増えました。たとえば、コロナ禍の自粛期間でアウトドアへの関心が世の中的に高まりましたが、サウナ×アウトドアのカテゴリでは、キャンプ場に個人が持参して使えるサウナや、サウナに改造された路線バスでどこでも本格的な薪サウナが体験できるといったサウナバスなどが登場しました。

 他には、プライベートサウナの充実もあります。プライベートサウナのカテゴリでは、サブスクビジネス化されたり、ジムに併設することで他ジムとの差別化が図られたりされたりといった動きが見られます。プライベートサウナの良い点は「清潔感」「密の回避」など、withコロナ時代に受け入れられやすいことがあります。一緒に楽しめるのが同性に留まらないので、パートナーとのデートスポットや家族旅行の場として楽しむこともできるでしょう。

 ここまで挙げてきた「テント サウナ」「サウナ ホテル」「プライベートサウナ」「サウナバス」の直近2年間の検索推移は以下のとおりです。サウナバスは2021年代までよく検索されていたようですが、直近ではトレンドダウンしている模様。その他については、現在も右肩上がりで伸び続けていることがうかがえます。

サウナグッズへの関心度合いは?

 銭湯のサウナに行くと、利用者の中にはサウナ用の帽子をかぶっていたり、マットを持参している人を見る機会が増えたように思います。施設だけでなく、グッズも充実してきているサウナ市場ですが、検索動向はどうなっているのでしょうか?

 サウナグッズに関する検索を見てみると、「サウナハット」の検索がここ数ヵ月で急激に伸びていることがわかりました。また、年単位で動向を比較すると、「サウナグッズ」の検索も少しずつ伸びてきていることがわかります。

 「サウナグッズ」の検索者属性を見ると、20代の割合が突出して多くなっています。「サウナ」の検索者と傾向を比較すると、やや女性の検索割合が高くなっているのも特徴的です。

「自宅サウナ」のターゲットは、ニューリッチ層

 これまでサウナに関する検索傾向を見てきましたが、筆者が特に注目しているのは、自宅でのサウナ需要です。自宅サウナの良い点は、プライベートサウナと同様に他利用者との接触がないため密を避けられ、衛生面に関しても安心なこと。さらには、自宅にあるので、自分の好きなタイミングで、いつでも好きなだけ楽しめる点が魅力です。今後さらに伸びていきそうな「家庭用サウナ」について、ターゲットユーザー分析ツール「story bank」を用いて、現検索者の特徴を深掘りしてみました。

 家庭用サウナのクラスタは、ネット利用者全体と比較すると、男性20~40代で、会社経営者/役員や自営業の割合が25%と高い傾向にあります。興味関心軸については「海外・国内旅行」「マネー投資」が高いのが特徴的で、アクティブかつ積極的な人物像が想定できます。

【クリックして拡大】家庭用サウナのターゲットクラスタ人物像
【クリックして拡大】家庭用サウナのターゲットクラスタ人物像

 さらに、20%以上が世帯年収1,000万円以上と高所得者が多いです。普段利用する情報収集媒体は、Facebook、電子書籍が一般平均より高くなっています。消費行動としては、購入チャネルがAmazonや楽天などのECモール、百貨店利用が目立ちます。

【クリックして拡大】家庭用サウナのターゲットクラスタ人物像(2)
【クリックして拡大】家庭用サウナのターゲットクラスタ人物像

 こうしたクラスタ傾向から、家庭用サウナ検討者は若い経営者、「ニューリッチ層」と言われる男性の人物像が見えてきたのではないでしょうか?

 本記事では、サウナトレンドの変遷や業態・グッズごとの注目度、家庭用サウナに関心を持つ層の人物像について整理してきました。

 サウナは国内では元々、大衆向けで共用する施設が多かった中で、1回の利用で数万円必要なプライベートサウナや家庭用サウナといった、自由が利く/ひとり占めできるという贅沢な娯楽としての側面が出てきています。今後、高所所得者を中心に新たな習慣や趣味の選択肢として、さらに市場拡大が続くかもしれません。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
250万人規模のデータで解説!今月の消費トレンド速報連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

大迫 夕莉(オオサコ ユリ)

株式会社ヴァリューズ データマーケティング局 コンサルタント アシスタントマネージャー

学生時代に賃貸仲介営業やSUUMOカウンター受付のアルバイトを経験。同志社大学卒業後、新卒でヴァリューズに入社。不動産を中心に健康食品、アパレルなど様々な業界のマーケティング調査と施策提言・実行までを担当。好きなYo...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2022/12/27 11:16 https://markezine.jp/article/detail/40865

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング