広告業界次の10年、カギを握る3点
私は昨年8月末にMicrosoftに入社したのだが、その面接の際に、「広告業界の今後10年について」意見を求められた。アメリカ人やオーストラリア人など合計5人と面接し、当然、他の質問もあったのだが、自分として印象に残ったのは、この質問だった。
今日は、面接の際に話した「広告業界の今後10年」について、僭越ながら、私の見通しを書いておきたい。
広告業界の今後10年をどうみるか? カギを握るのは、次の3点だと面接で話した。そして、結果的に、広告効果に応じて広告媒体は「棲み分け」ていくはずだと述べた。
カギを握る3点
- 地上波テレビの終焉、および、電波オークション
- Customer Data Platform(CDP)とリテールメディアの台頭
- AIの実用化と既存検索エンジンの凋落
「棲み分け」は既に始まっていると考えているが、GoogleのChromeでのサードパーティーCookie廃止が2024年に開始されることで、その勢いがさらに加速するとみている。
また、博報堂DYグループが提唱する、広告メディアビジネスの次世代型モデル「AaaS(Advertising as a Service)」などの浸透によって、マスもデジタルも横断したプランニング、バイイング、モニタリングが実現可能になり、マーケティング目的に対応した広告効果測定が行われていく。その結果として、広告効果に応じて広告媒体は「棲み分け」ていくことになる。
実は、面接で話したのは、この辺までだ。これ以上、それほど詳しく説明しなくても、Microsoftの面接官の人たちは直ちに私の言いたいことを理解してくれた。ただ、この記事ではもう少し詳しく説明したいと思う。