「寄り添い要素」を持つレジ端末
NCR社のレジ端末は様々な機能が一体型になっていた。商品を置くだけで前方のスキャナーが瞬時に全商品を読み込む。商品が重なっていると、モニター上にわかりやすく「重ならないように置いてください」と案内が出る。
決済方法の目玉は手のひら決済だ。手のひら決済は手でタッチせずとも、かざすだけで決済できるというもの。認識しづらいのでは? 誰の手でも読み取ってしまうのでは? と懸念したが、実際に試すと認識は素早く、別の人の手をかざすと(事前に手のひら登録が必要)「登録されていません」と表示された。

機能面も興味深いが、スクリーン上の案内も直感的で簡単さが演出されている。「Matching(認識しています)」、手が遠い場合は「Too far(遠すぎます)」、読み取ったあとのチェックなどわかりやすく案内が出て、全体的に初めての人にも寄り添った直感的で気持ちの良い体験であった。

こういった「寄り添い要素」も人間的要素の1つだと考えられる。
手触りと連動するスクリーン
Unity社のプロトタイプも興味深いものであった。下の写真のようにスクリーン上にはブランドのバッグが映し出されている。手前には留具と革の材質の一部があり、それらに触れるとスクリーンが連動しバッグや留具の色が変わる。デジタルの技術を駆使しながらもリアルの質感に触れられ、エモーショナルな余韻を残した体験であった。

圧倒的なリアリティをともなったサイネージ
解像度の高さによりリアリティを持った展示も目立った。英HYPERVSN社の”Hologram Human”の展示では、人物大のサイズ感と高解像度の技術により実際に人がそこにいるかのような感覚を覚えた。

別のブースでは「デジタルマネキン」が人々を惹きつけていたが、奥行きもさることながらかなりリアルである。ファッションの例で展示されていたが、数秒ごとに服が変わり、360度リアルのマネキンを見ているような感覚がある。

これらの展示はテクノロジーそのものに人間的要素を持たせた例ではあるが、テクノロジーの進化にともなってどこに人間的要素を担わせるかは引き続き重要なファクターとなりそうだ。