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「インバウンドの思想」をマーケティングに~実践事例とその思考プロセス~

インバウンドなオウンドメディア運営とコンテンツ制作法 鍵は「トピッククラスター戦略」にあり

過去記事を再編集することで、新鮮さを出す

 三つ目のポイントは「過去記事をメンテナンスすることで、ユーザーに新鮮な情報を届ける」です。私たちは月に40本ほど記事を公開しているのですが「ネタ切れにならないのか?」という質問をよくいただきます。

 HubSpotでは、新しい情報を出すだけでなく「役に立つ」と思っていただける情報を出し続けることにフォーカスしています。そのため、過去記事に付加価値をつけるリライトが重要なのです。過去記事を全体的に再構築し、ほぼ新規の記事として出すことも多々あります。いわゆるテック系の記事は情報の新鮮さが重視される上、トレンドの移り変わりや機能の進化も非常に早いため、過去記事を放置せずに正しくメンテナンスする姿勢が求められるのです。

 トラフィックが下がってきた記事を発見したら、まずは競合するコンテンツの状態を見ます。軽微なリライトで済みそうなら迅速に修正。そうでなければ、トピック単位での再構築を念頭に置いて、キーワードの抽出から見直しを行っています。

情報を伝えきることで読者から信頼を得る

 次に、インバウンドなオウンドメディアコンテンツを制作するための三つのポイントを紹介します。

1.オウンドメディアの存在意義は、自社本位ではなく読者視点で設定する
2.ブログ記事を読みに来る方が何を知りたいのかを想定する
3.HubSpotならではの視点・インサイトを出し惜しみせず提供し、「知りたいことの答え」をすべて出す

 私たちは情報を出し惜しみせず、読者の「知りたい」に対する答えをすべて出すことを目指しています。「情報を全部出してしまったら、資料をダウンロードする必要がなくなってしまう。ブログ記事で冒頭のみ出して、後は『問い合わせ』や『登録』などに誘導するほうが良いのでは?」と思われるかもしれません。しかし、最も読みたいところで寸止めしてアドレスを登録させる方法に疑問を感じる読者もいるはずです。

 HubSpotのオウンドメディアでは、テキストや動画で伝えられる情報をすべて伝えきることを大事にしています。その上で「実践したいがツールがないため、HubSpotについて詳しく知りたい」「こんな活動を支援してくれるパートナー企業とつながりたい」など、読者側から個別の要望があったタイミングで、詳細資料のダウンロードや公式パートナーの紹介など、様々な選択肢を提示するようにしています。企業のオウンドメディアという場では、自分たちから相手に惜しみなく貢献しようとすることで、初めて読者の信頼を得られるのです。

 次回は、アルゴリズム更新時の戦略とプロセスについて詳しくお伝えします。

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この記事の著者

水落 絵理香(ミズオチ エリカ)

HubSpot Japan 日本語ブログ編集長。CMS制作会社の営業職に従事した後、Webマーケティングメディア「ferret」の立ち上げから参画し、ライター・副編集長を経て独立。「MarkeZine」や「ITMediaMarketing」「AMP」など複数のビジネスメディアで執筆活動する傍ら、BtoB、BtoC複...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

池村 真澄(イケムラ マスミ)

HubSpot Japan マーケティングチームSEOストラテジスト。旅行、アパレルなどのメディアサイトやECサイトのWebデザイナーとして従事。その後、Webマーケティング職へ転身。留学やフランチャイズなど複数の比較メディアでSEO・CROを担当。2022年4月より現職。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/03/13 09:00 https://markezine.jp/article/detail/41507

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