価値観グループ別に見る、Z世代がよく買う日用消費財
続いて、実際に買っている商品の傾向を見ていきます。各グループの生活者像がより具体的にイメージできるのではないでしょうか。下の図表4の情報からだけでも「手軽さ優先」は価格重視、「自分磨き」はセルフケア意識が高い、「アクティブ生活」は快活な生活を送っているような姿が見えてきます。

「手軽さ優先」は購入単価・容量単価が共に低く、グループの特徴でもある品質よりも価格を重視していることが購買情報から確認できます。PB(プライベートブランド)商品を好み、また容量単価の低さから、徳用サイズの購入や箱買いをしている可能性が高いです。
「自分磨き」はサプリメントや美容・健康ドリンクの購入が多く、セルフケア意識の高さが見られます。加えて全体的に容量単価が低いことから、自己表現や楽しみのために品質を重視して高単価な商品を購入していることがわかります。
「アクティブ生活」はコンビニ利用が多いこともあり、コンビニ限定商品の購入が多くなっています。特徴的な購買である制汗シートやエナジードリンクからはグループの特徴であるアクティブな生活が想像できます。その他にも「手軽さ優先」と比較すると容量単価が高いため、単品買いが多いようです。
筆者はZ世代より少し年上の「アクティブ生活」ですが、軽食を手軽に済ませるためにプロテインバーをよく食べ、普段から好んでエナジードリンクも飲んでいるので(もちろん両方ともコンビニで買います)、上記の内容に多く合致していると感じました。
このように価値観グループと買い物傾向は関連性が強く、分析やターゲティング、施策実行にも価値観という切り口が効果的であると言えるのではないでしょうか。
価値観グループは世代をまたぐ
ここまではZ世代に焦点を当ててきましたが、分析軸としての価値観は世代をまたいでも効果的です。

各グループに象徴的な世代はありつつも、どのグループにもすべての世代が含まれています。実際にZ世代でなくても、頻繁にコンビニを利用し、エナジードリンク片手に仕事をするようなアクティブ生活に属する方がいます。価値観が似ていれば世代を問わず購買行動も似ているため、性年代だけではなく価値観も利用することで、生活者によりフィットした施策を行うことが可能です。
生活者の価値観を知る方法
ここまでで生活者の価値観と購買行動の紐づきを見ることができ、価値観という切り口がターゲティングとして効果的であることがわかりました。それではどのように生活者の価値観を把握すればよいのでしょうか。
インテージでは、今回使用したデータのように生活者の購買情報をもとに価値観を推定するソリューション(※)を持っており、それが正確かつ有効であることを確認しています。このソリューションを用いることで、ID-POSなどの購買データを利用してアンケートを行うことなく生活者の価値観・意識を捉えることが可能です。
インテージに限らず、様々な企業がデータをもとに生活者の価値観や意識を視覚化し、それをマーケティングに活用できる取り組みを進めています。Z世代など新しい価値観・意識を持つ世代や、普段とは異なる世代にアプローチする際は価値観・意識をベースに施策を打ってみてはいかがでしょうか。