メルマガはリードナーチャリングの土台
メールの改善方法についても、藤井氏はテンプレートを用いて解説。「メルマガ」「単独」「直前再案内」の用途に分けた上で、集客・接客・送客のプロセス別にKPIを整理していく。
藤井氏は「王道の改善ポイントはメルマガのクリック率」と強調。メルマガのクリックがWebサイトの回遊を生み、Webサイトの回遊がセグメントメールの対象者増やウェビナーへの誘導にもつながることを考えると、「メルマガはリードナーチャリングの土台と考えても良い」と村尾氏も賛同する。
メルマガのクリック率を上げるにはどうすれば良いのか。藤井氏はA/Bテストを提案。より効果的なメルマガのタイトルを見つけるため、シャノンが実際に行ったA/Bテストの内容を紹介する。
A:フレームワークで基礎を固める!BtoBマーケティング再入門
B:【チェックシート付】BtoBマーケティング再入門
上記2種のタイトルでメールを出し分けたところ、Aのクリック率を100%とした場合にBは182%だったそうだ。
「ウェビナーを数多く開催する中で、事後アンケート特典としてチェックシートを用意すると、回答率が高くなるというファクトが元々ありました。このファクトから『特典に着目する方が多いのでは』と仮説を立て、メールタイトルに反映した結果、クリック率が向上したのです」(藤井氏)
多忙なマーケターこそ購買フェーズ別の管理を
ここまで様々な施策の改善方法を紹介してきたが、すべてを一気に解決することは難しい。そのため「そもそもどのフェーズのどの施策から改善するのか、当たりをつけていく必要がある」と藤井氏。比較・検討、関心、興味、認知のフェーズごとに、顧客を定義していくのだという。
具体的には接点と期間を掛け合わせて定義を行う。たとえば、3ヵ月以内に資料請求をした人や、製品ウェビナーを視聴して3ヵ月以内の人は、比較している可能性が高いと考えられるだろう。そのためこの人たちを「比較・検討フェーズにいる人」とする。このように、顧客一人ひとりが位置するフェーズを管理していくのだ。
マーケティングフェーズを管理することに、どのようなメリットがあるのか。たとえば「比較・検討フェーズの獲得数に対して引き上げ数が少ない」「広告経由のリード獲得に依存していて費用対効果が悪くなっている」など、課題箇所の特定ができるようになるという。村尾氏は「忙しいマーケターにこそ必要な管理方法」と語る。
最後に藤井氏は次のメッセージを述べ、講演を締めくくる。
「マーケティングオートメーションを導入しても、すぐに顧客のフェーズが見えるわけではありません。そのため、直近3ヵ月で比較・検討、関心、興味、認知フェーズ別に該当する顧客の数をカウントしてみてください。その数字を見れば、ボトルネックとなっている施策が見えてくるはずです。施策の改善については当社がお力になることもできるため、ぜひご連絡いただければと思います」(藤井氏)