最後に:地上波とCTVの未来
地上波とCTV(ストリーミング動画)は対比されやすいのですが、今後も共存していくと考えています。
REVISIO社の『コネクテッドTV白書2023』を見ると、「テレビデバイスで1日あたりに視聴される時間」は、地上波(キー局)がストリーミング動画サービスを大きく上回っており、まだまだ地上波コンテンツを楽しんでいる人たちが多いことがわかっています。
一方で、ABEMAのワールドカップ配信のように、ストリーミング動画史における象徴的な事象も誕生しています。ワールドカップという“マスコンテンツ”を、“独自の価値を付与して提供”し、“幅広い世代の消費者から評価を得た”、という点で過去にない事例だと思います。

こうした視聴体験の進化に加え、広告付きの低価格プランを導入するストリーミングプラットフォーマーが増えたことでユーザー層が広がっていき、消費者の世代シフトも進むことで、不可逆な変化が訪れるのではないかと思います。
全5回にわたり、『コネクテッドTVの現在地と展望』をお読みいただきありがとうございました。少しでも皆様のお役に立てば幸いです。これからのCTVの進化に、ぜひご注目ください。