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インフルエンサー施策を多角的に定量分析 電通デジタルがAnyTagで取り組む勝ちパターン構築

 昨今広がりを見せるインフルエンサーマーケティング。しかし、定量的な分析や一定の成果を継続的に出し続けることの難しさから、中長期視点で施策を考えられていない企業は多い。電通デジタルは、AnyMind Groupが展開するインフルエンサーマーケティングプラットフォーム「AnyTag」の導入により、こうした課題の解決を進めているという。本稿では電通デジタルの魚氏と渡邉氏、そしてAnyMind Japanの相田氏に取材。企業がインフルエンサーマーケティングにおいて考慮すべきPDCAの回し方やAnyTagの活用方法について話を聞いた。

インフルエンサー施策を含む統合プランニングにも注力する電通デジタル

MarkeZine編集部(以下、MZ):まず皆さまのご経歴と、現職での業務について教えてください。

魚:私はPR会社勤務を経て2020年に電通デジタルに入社しました。現在は関西で日用品や化粧品領域などを担当しています。インフルエンサーマーケティングをはじめ、デジタル周りの全般的な戦略の提案をクライアント企業に対して行っています。

渡邉:私は事業会社でデジタルマーケティング業務、総合代理店で営業の仕事を経験した後、電通デジタルに入社しました。2021年からは、主に化粧品やヘアケア領域のクライアント企業を担当し、メディアプランニングを含めた統合提案をしています。

 さらに並行して、事業部内でインフルエンサー施策の浸透を目的としたプロジェクトのリーダーも担当しています。AnyMind様との取り組みをはじめ、インフルエンサー施策をプランニングできる人材を事業部全体で育てる取り組みに力を入れています

(写真左)株式会社電通デジタル メディア&コミュニケーション アカウントプランナー 魚 禎恩氏、(写真右)同社 メディア&コミュニケーション アカウントプランナー 渡邉 理沙氏
(写真左)株式会社電通デジタル メディア&コミュニケーション アカウントプランナー 魚 禎恩氏、
(写真右)同社 メディア&コミュニケーション アカウントプランナー 渡邉 理沙氏

相田:私はAnyMind Japanに2019年7月、インフルエンサーマーケティング事業部立ち上げのタイミングで参画しました。セールスや現場のマネージャーを経験した後に2022年7月からはインフルエンサーマーケティング事業部の営業統括を務めています。営業組織全体を見るほか、電通デジタル様をはじめとした代理店様との協業拡大をミッションとして、日本国内のマーケットを担当しています。

AnyMind Japan株式会社 インフルエンサーマーケティング事業部 営業統括 相田 泰雅様
AnyMind Japan株式会社 インフルエンサーマーケティング事業部 営業統括 相田 泰雅氏

中長期の戦略が構築しづらい PDCAが難しいインフルエンサーマーケティング

MZ:多くの企業からご相談を受ける立場として、従来のインフルエンサーマーケティングが抱える課題にはどのようなものがあるとお考えですか。

魚:PDCAを回そうとした際の難易度の高さが課題だと考えています。これが原因で、インフルエンサー施策は単発で終わってしまうケースも少なくありません。

 その要因には、インフルエンサー施策が他の広告施策と異なり、その商材が受け入れられるかはシーズンやターゲットによって大きく変動してしまうことが挙げられます。これにより、ユーザーのニーズをきちんと汲み取ったプランニングと、実行後に得られた示唆を次に活かすアクションが難しくなっていると考えています。

渡邉:一つのクライアント企業に対して、私たちが扱うのはインフルエンサー施策だけではありません。同時並行で様々な施策を行う中で、どの施策にどれくらいの予算を投下するかを判断するためには数値が非常に重要になります。しかしながら、インフルエンサー施策は見える数値が多いため、どの数値で施策を評価していけばいいのかを判断しにくいと感じています。

 他のチャネルも含めた統合的な提案をするためにも、インフルエンサー施策の定量的なデータを明確に捉えることが必要になります。

インフルエンサーやキャンペーン施策を定量的に評価可能なプラットフォーム「AnyTag」

MZ:電通デジタルではこうしたインフルエンサーマーケティングの課題を解決するため、2021年から「AnyTag」を導入したと伺いました。AnyTagの概要についてお聞かせください。

相田:AnyTagはインフルエンサーマーケティングプラットフォームです。フォロワー数だけではなく、オーディエンスの熱量・男女年齢比・感情分析など多様なデータを基にしたインフルエンサーの提案・キャスティング、キャンペーン実施時のインサイト分析、投稿のリアルタイムレポートなどのサービスを提供しています。また、クライアント企業のSNSアカウントと連携することで、企業向けSNS運用管理ツールとしてもご利用いただけます。

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AnyTagの機能を示した概略図。インフルエンサーマーケティングに必要な機能を一つで実現する

 AnyTagでは2023年3月末時点で、世界45以上の国と地域から57万人以上のインフルエンサーへのアクセスが可能です。多くのインフルエンサーのアカウントを細かく分析した上で、クライアント企業のニーズに合ったインフルエンサーを、定性面だけでなく、データで裏付けされた定量面から提案できます

 AnyTagの特長としては、一つのプラットフォームに施策ベースのデータが蓄積されるため、次回のアクションにつなげられる点が挙げられます。これにより、インフルエンサーマーケティングを施策全体の中の一つのチャネルとして動かしやすくなるため、電通デジタル様が多くの案件で求められることと親和性が高いと考え、提案をしました。

渡邉:AnyMind様はインフルエンサー施策において様々な評価の観点を持たれているのも特徴的だと感じています。

 一つの施策に対して、実施目的に応じた評価指標などを具体的に提示いただけます。おかげで我々もクライアント企業への施策提案において、短期的な成果を狙う単発のキャンペーンではなく、中長期で特定の指標を追っていくような提案がしやすくなりました

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「自動レポーティング機能」では、投稿の自動トラッキングやレポートダウンロードなどで業務効率化と結果の可視化をサポート。時間のかかる集計工数を削減し、次の施策の立案に取り組みやすくする。

魚:クライアント企業への提案ではAnyTagから得られる様々なデータで裏付けができるため、説得力が増したと感じています。また、気になる施策の動向をAnyTagから任意のタイミングで確認し、素早くクライアント企業に伝えられるなど、私たちが対応できる範囲が広がりました。

相田:施策を行う上では、データを取得するだけでは不十分であり、それを活かすことが重要だと考えています。ユーザーの皆様がSNSの動向や施策ごとの見るべき指標の数値を確認し、そこから次の施策を提案する手助けができると考えています。

競合の動向や自社実績のナレッジ共有が高度化・効率化

MZ:電通デジタルではAnyTagをどのように活用していますか?

渡邉:大きな提案に関しては基本的にAnyMind様がプランニングをしてくださるので、私は主に情報収集に活用しています。たとえば「特定のインフルエンサーについて詳しく知りたい」と思ったとき、ファンの年代比率や過去の投稿のパフォーマンスなどのデータを手元ですぐに確認します。また、他社が起用しているインフルエンサーと起用タイミングについても、#PRなどの公開情報を元に、高い精度で簡単にまとめられるため、「競合はこれくらいやっているので、もう少し施策を増やすほうが良いのでは」といった提案を数値に基づいて行えています

魚:私の場合、複数ブランドの比較に活用しています。複数ブランドを展開しているクライアント企業の場合、ブランドによって代理店側の担当者が異なる場合があります。他ブランドで行った施策について細かい数値まで把握することはなかなか難しいことです。このように同じクライアント企業内で自分の担当ではないブランドがある際は、他ブランドの過去施策やその結果をチェックし、その上で自分の提案をブラッシュアップするようにしています

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「キャンペーン管理」機能のデモ画面。各キャンペーンの進行ステータスや予算、KPI、投稿内容の下書き、過去のインフルエンサーリストなどがそれぞれ一覧で閲覧できる。自社にノウハウを蓄積するためのマーケティング用CMSとしても利用でき、過去の全キャンペーン結果をブランドの重要指標ごとに分析することも可能。

渡邉:ナレッジマネジメントの面では担当者の引き継ぎにもAnyTagが役立っています。デジタル業界は人材の流動性が高い傾向にあり、担当変更が多く起こりがちです。過去の担当者が行った施策を新しい担当者が理解できていない事例も少なくありません。

 私のチームではAnyTagを通じてクライアント企業ごとにデータを共有しているため、同じクライアント企業の担当者は、別担当者が実施した過去施策を蓄積されたデータから確認が可能です。このように過去のデータの参照により、長期的な視野でクライアント企業に合わせた施策を提案ができています

コミュニティ化・インフルエンサーのファン化にもつなげる

MZ:今後インフルエンサーマーケティングを行おうと考えている企業が意識するべきことは何でしょうか。

相田:SNS市場は日々変化しており、従来のデジタル施策と比較して「この施策を実行したら、これくらい伸びます」といった勝ちパターンが見えない状況です。そんな中でも類似の商品カテゴリーやターゲットをデータから分析することでわかることが多くあると思います。

 特にインフルエンサー施策は回数を重ねて傾向把握を行うことが重要です。これからインフルエンサーマーケティングを行おうと考えている企業様は、AnyTagをトライアルで活用いただくことも可能です。プランニングとデータアナリストのチームが細部まで分析を行い、提案を作らせていただきます。

MZ:今後のインフルエンサーマーケティングにどのようなことを期待していますか。

魚:インフルエンサーは由来となった「influence」の通り、影響力が強い人たちです。その人たちと一緒に社会に対して影響をどう及ぼすかを、クライアント企業と共創していきたいと思います。

相田:インフルエンサーマーケティングは言うなれば、対人関係を活かす手法なので、継続的な成果を目指すならコミュニティ化が重要になります。インフルエンサーに、自社ブランドのファンになってもらえるソリューションも重要になるでしょう。どのインフルエンサーにロイヤルティを感じてもらうようにすべきかといった優先度も、AnyTagのデータから判断いただくことが可能です。

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「インフルエンサー発見」機能では、オーディエンスデータや投稿データの分析でのリスト作成に加え、カテゴリ別・時間軸別・市場別の比較、過去案件のPR実績、フォロワーの伸び率で検索可能。注目が急上昇しているコンテンツのトレンドをカテゴリや市場ごとに把握することもできる

施策をデータで分析して唯一無二のパートナーを目指す

MZ:電通デジタルでは、AnyTagを今後どのように役立てていきたいと考えていますか。

渡邉:前述した施策の勝ちパターン、つまり媒体に合わせた予算の投下量と時系列を把握できている状態にしていきたいです。まずはクライアント企業や業界のデータを蓄積し、それを使用した分析を行うことでプランニングの型を作っていこうと考えています。AnyMind様と当社で作るソリューションがクライアント企業にとって、唯一無二のものになっていく世界観の構築を目指しています。

 さらに世の中にある様々なデータも掛け合わせて分析することで、世の中の動きと実購買、インフルエンサー施策の相関など、他の代理店が対応できていない領域まで正確に捉えていきたいと思っています。

魚:変化が多い業界だからこそ、道しるべになるデータを蓄積することで勝ちパターンが見えてくると考えています。そして、それをクライアント企業に提案していきたいと思います。

MZ:AnyMindは今後AnyTagを通じて、どのような価値を提供していきたいとお考えですか。

相田:当社の強みであるデータを使って、電通デジタル様とインフルエンサーマーケティングの勝ちパターンを固めていきたいです。

 また、現在SNSのデータだけでなく業界ごとのトレンドを踏まえた提案にも力を入れています。たとえば2023年2月に発足したコスメ・美容領域特化のマーケティングチーム「Beauty Hack」は、AnyTagの支援実績とデータ活用における強みを活かし、業界トレンドに精通したメンバーが認知獲得から売上増加までニーズに合わせたソリューションを提供しています。

 このようにインフルエンサーやSNS業界のハブとなるような動きをすることで、業界全体の成長につなげていきたいと考えています。

AnyTagに関する詳細はこちら

 AnyTagは企業のニーズに合わせてサービスを提供するインフルエンサーマーケティングプラットフォームです。詳しくは「3分でわかるAnyTag媒体資料」をご覧ください。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:AnyMind Japan株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2023/06/30 11:00 https://markezine.jp/article/detail/42320