「マーケティング×データ」でキャリアを作る
──自己紹介をお願いできますか。
小野:総務省に入省し、自治体のIT施策や政策評価を担当していました。総務省ではマイナンバーカード(当時は住基カード)を利用した住民票のコンビニ交付を立ち上げ、東日本大震災後の仙台市役所では水族館の誘致を担当しました。実務でデータ分析をしてみたくなってリクルートに転職し、今に至ります。
リクルートではデータサイエンスグループのリーダーとして、モデル開発やデータ案件の企画推進をした後、マーケティング室に異動して、3年がたちました。現在はSaaS領域を担当するマーケティング組織の部長と、データマーケティンググループのマネージャーという、2つの役割を兼任しています。
──データへのとらえ方は、リクルートに入社して変わりましたか。
小野:マーケティング施策の効果を検証するためにデータは不可欠ですので、その思いは間違っていなかったと思います。データの役割のひとつは、打った球がファウルなのかホームランなのかを判定すること。失敗からは学べばいいですし、成功は続ければいい。しっかり結果を検証・評価しつつPDCAを回していくからこそ、次につなげられます。
データサイエンスには他にも、「精度改善」という役割があります。これは、「0を1にする」「1を10にする」というより、「100を105にする」ことです。投資規模次第では大きな成果になります。
決裁者が企画者に伴走する「バディ」制度をスタート
──マーケティングが担う役割は、どういったものだとお考えですか。
小野:直接的なマーケティングの役割は、ネット広告やCRM、テレビCMなど、マーケティング施策でプロダクトの成長に貢献することです。間接的には、ユーザーやクライアントと向き合うマーケティング組織として、プロダクト戦略にまで関わる範囲を広げたいと思っています。
その中でデータサイエンスは、マーケティング施策の精度改善を通して、一人ひとりに合ったマーケティング施策を実現し、マーケティング組織を進化させる役割を担うことができると信じています。
──マーケターとして働く上で気を付けていることを教えてください。
小野:期待されていなければチャレンジさせてもらえませんので、チャレンジを求められるのは幸せなことです。まずは、目の前の仕事で着実に結果を出していくこと。そして、これまでの実績や前例がないケースが多いので、チャレンジの意義をステークホルダーにきちんと説明できることも重視しています。
また、他組織との協働も大切。特にSaaS領域では、マーケティング組織とセールス組織は同じクライアントに向き合っています。マーケティング組織だけでは実現できなかった施策が、セールス組織と一緒にチャレンジしたからこそできたということもありました。
──組織を動かす立場としては、どのような点に気を付けていますか。
小野:各マーケティング領域を横断して、データ活用を推進するデータマーケティンググループは、「主役にならない」を1つのコンセプトにしています。あくまでも各領域のマーケターが企画者=主役になり、そのデータ活用をサポートするという立ち位置です。
具体的には決裁者として、事業貢献を基準とした品質の担保や、困りごとを解決します。ただ、決裁者と企画者の距離は遠くなりがちです。そうなるとサポートが行き届かず、うまく案件が進まないこともありました。
そこで2022年から、データマーケティンググループのメンバーが企画者に伴走する「バディ」という取り組みを始めました。準プロジェクトメンバーとして、企画者、分析者とともにデータ案件を推進しています。
──バディとは具体的にどのようなものなのでしょうか。
小野:2022年度は「SNS投資効果の可視化」を担当しました。検索離れが進む中、SNS投資が重要になっていくので、その投資効果を可視化したいという案件です。
通常だと、私は決裁者としてレビューをして、アドバイスをする役にとどまるのですが、バディになると、データを使っていかにSNS投資の効果を可視化できるか、「How」だけではなく「Why」や「What」についても、担当者と議論を重ねながら進めています。