方針を決め、他部署を巻き込める組織に
──検討フレームワークの活用状況や導入の変化を教えてください。
小野:私の組織のメンバーにレビューをするときに実際の検討フレームワークを見せて、使い方も含めて説明しています。ですので、同じ組織のメンバーであれば一度は目にしていますし、活用してくれています。検討フレームワークを活用することでレビューを重ねるごとに、議論が深くなっていることも実感できています。
──活用しているメンバーからはどういった声がありましたか。
小野:メンバーからは「方針検討が苦手だったけれど、フレームワークがきっかけとなってできるようになった」という声が多いです。また私の組織のメンバーが他の組織で発表する際、「的を射た素晴らしい発表をしていた」という声も聞きました。うれしかったですね。
どちらの場合も、フレームワークを使うことで、関係者間で視座や目線がそろい、理想や要求を正しく整理し、施策を考えることを意識できたからこそだと思っています。
──実際、手ごたえのあった事例はありますか。
小野:検討フレームワークは、即効性のある薬というよりは、基礎体力を補う「漢方」のようなものです。ですので、目に見えて成果があがるというよりは、使い慣れることで検討レベルが向上し、議論がスムーズになるといった類のものだと思います。
ただ、SaaS領域においてマーケティング組織とセールス組織が協働したときには、検討フレームワークの成果が如実に現れました。マーケティング組織とセールス組織は文化や仕事の進め方が異なるので、目線を合わせるのが難しいときがあります。ですが、検討フレームワークを使って進めていった結果、方針検討や施策推進において両組織の目線を合わせられました。のちに社内の表彰案件になるほどの成功を収めることができました。
──関係者間の相互理解があったほうが、物事はうまく進みますね。
小野:そうですね。私は以前から、自分とは違う文化や立場の人と仕事をすることが好きでした。セールス組織との協働のときも、異文化の世界に深く入り、担当者にヒアリングをし続けて、最終的にセールス組織の運営についてかなり詳しくなっていたと思います。

ビジネスの知見を備えたマーケターとなるために
──検討フレームワークは、他のマーケティング組織にも有用なのでしょうか。
小野:セールス施策や機能開発案件にも使えますし、実際に使っています。結局、良き案件とは、マーケティング施策に限らず企画者の課題と分析者の打ち手がマッチしている案件であり、そうなるように整理するのが、このフレームワークの役割です。
だからこそデータ組織側から分析者が施策提案する際にも、このフレームワークは使えます。ビジネスの知見を備えたデータ人材は、今後もますます求められると思うので、こうした情報整理の仕組みを活用してほしいですね。
──最後に、今後ご自身の組織をどのようにしていきたいと考えていますか。
小野:総務省を辞めたときには、周囲の反対もあったし、不安もあったのですが、やりたいことをやろうと思って辞めました。その思いは、今も変わりません。やりたいことをやって成長したいし、まわりに貢献したいです。
組織長としても、自分自身が働きたくなるような組織を目指して、みんなの“Will”をくんで、それぞれがやりたいことをやって成長できる、チャレンジできる環境を提供したいと考えています。
