6月2日、個人向け家計簿サービス「Zaim」を運営するZaimは、これまでは定量的な把握が難しかった業界やブランドのシェアを可視化するレポート「Zaim シークレットマーケットインデックス」を公開した。
第一弾である今回は、「フードデリバリー」業界の4大ブランドの動向と利用ユーザーについて分析を行った。
緊急事態宣言を契機にフードデリバリーが急成長
まず、コロナ禍前からの食市場動向を見ると、緊急事態宣言により「外食」の支出が大幅に減少。代わりに「中食」「内食」に相当する食料品の支出が増加した。行動制限が緩和された現在でも、外食市場はコロナ禍前ほどの回復は見えていない。
一方、「フードデリバリー」が新しい食の選択肢として爆発的に成長。緊急事態宣言時期には特に注目を集め、利用者が大幅に増加した。加えて、その利用は一過性のものではなく、新たな食の選択肢として定着している様子がうかがえる。
4大ブランドのうち1社のシェアが圧倒的 他サービスでも併用の傾向が見られる
「フードデリバリー」業界の4大ブランドのシェアを見ると、特定の1社が圧倒的に多数のシェアを占めていることがわかった。シェア1位のサービスAを除く3ブランドの中では、サービスCの利用回数が相対的に多い傾向。リピート利用を促進できていることがわかる。
さらに、サービスBのユーザーの20%がサービスAも併用していることがわかった。ユーザーがシチュエーションに応じて最適な選択を行い、両サービスを使い分けていることがわかる。
サービスによって利用者の価値観に大きな差も
次に、A・Bそれぞれのサービスを利用するユーザーの家計に占める食費の割合を調べた。結果、サービスBを利用するユーザーのほうがサービスAよりも食にかける支出の割合が高く、食への関心が高い傾向が見られた。
一方、美容・衣服や大型出費などは、サービスAを利用するユーザーのほうが家計に占める割合が高く、各サービス利用者の価値観の違いが表われているといえる。
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