興行収入125億円超え!「劇場版 名探偵コナン」は、なぜ今人気?
2023年4月に公開された劇場版第26弾『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』の興行収入が125億円を突破しました。名探偵コナンは映画化される度にヒットしている印象がありますが、興行収入が100億円に迫る“国民的大ヒット”を飛ばすようになったのは、実は近年の話。
興行収入68.9億円だった『から紅の恋歌』(2017年公開)もその年の邦画トップではありましたが、2018年に公開された『ゼロの執行人』が興行収入91.8億円を記録したことを皮切りに、『紺青の拳』(2019年:興行収入93.7億円)、『ハロウィンの花嫁』(2022年:興行収入 97.8億円)と、さらに大ヒットを連発するようになっているのです(※)。
30年近くも連載が続く『名探偵コナン』は、なぜ最近になって異例の盛り上がりを見せているのでしょうか。今回は、消費者が「劇場版 名探偵コナン」に惹かれる理由の一つとして“キャラ推し”に着目し、「Dockpit」のデータから分析してみました。
※興行収入はすべて一般社団法人 日本映画製作者連盟 発表資料より抜粋
人気を支えるのは20~30代女性?
下のグラフは、2021年5月~2023年4月の間に「コナン」というワードで検索を行ったユーザー数(UU)の時系列データです。毎年映画公開月の4月に検索の山が表れ、推計値で100万UUに達しています。

では、どのような人が「コナン」に関心を持ち、検索を行っているのか、まずは性別や年齢といった基本情報から確認していきましょう。
下のグラフは『黒鉄の魚影』公開中の2023年4~5月に「コナン」と検索した人の性別構成比を表したグラフです。

灰色の点線がネット利用者全体の平均なので、やや女性比率が高いことがわかります。さらに下のグラフは、同時期に「コナン」と検索した人の年代別構成比です。ここでもネット利用者の全体と比較すると20・30代の比率が高く、コナンが比較的若い層、とりわけ20~30代女性に支えられていることが窺える結果となっています。ちなみに、2020年4~5月期のデータと比較してみると、「コナン」の検索ユーザーの女性比率は2ポイント微増、ユーザー年代においては30代が5ポイント増加していることがわかりました。
