SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

審査員が見たカンヌライオンズ2023

カンヌ2023に学ぶ:Vol.5田中直基「キーワードはシンプリシティ。マーケへの貢献度も重視」

 2023年6月19~23日に開催された「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル2023(以下、カンヌライオンズ2023)」の潮流を審査員に聞く本連載。今回はモバイル部門で審査員を務めた田中直基氏(電通)に取材しました。

本記事はMarkeZineプレミアムの有料記事です。7月20日(木)~8月3日(木)の期間限定で無料公開しています。

マーケティングとクリエイティブの復権

――カンヌライオンズのリアル開催が復活して2年目を迎える今回、田中さんは現地で参加されてどのような印象を受けましたか。

 昨年は日本人がほとんどいませんでしたが、今年はその分の揺り戻しのようなものを感じました。抑圧されていた何かが解放されたイメージでしょうか。

電通 Dentsu Lab Tokyo コピーライター/クリエーティブ・ディレクター 田中直基氏
電通 Dentsu Lab Tokyo コピーライター/クリエーティブ・ディレクター 田中直基氏

 また、全体を通してマーケティングとクリエイティブの復権を感じました。マーケティングとクリエイティブの“筋肉”を備えた企画がきちんと評価されたと言いますか。流行りの手法やテクノロジーを取り入れただけで、本質的な戦略・企画・マーケティングが備わっていないものは、一次審査でことごとく消えていった感じがあります。

 この10年ほど「社会にとって良いこと」と「クリエイティビティ」の関係性を強化する傾向が続いているのですが、今年はソーシャルグッドだけでなく、マーケティングやブランディングへの貢献度も重視されていた印象です。

W杯優勝トロフィーVS電気自動車

――マーケティングの復権を感じた具体例はありますか。

 モバイル部門でグランプリを争った2社の例が象徴的だと思います。まず、アルゼンチンのフードデリバリーアプリ「PedidosYa」について説明しましょう。今年のワールドカップで36年ぶりに優勝したアルゼンチンでは、国民が歓喜に包まれていました。多くの企業がCMやポスターなど様々な方法でチームへの賞賛を表す中、PedidosYaは優勝トロフィーの“配達通知”をユーザーに行ったのです。

【クリック/タップで再生】モバイル部門でグランプリを受賞したPedidosYaの「World Cup Delivery」

 カタールからアルゼンチンへのフライトデータをアプリに紐付け「トロフィーは今、太平洋の上を飛んでいます」「もうすぐ着きます」など、注文した料理が家に届くかのようにトロフィーの追跡情報をアプリのプッシュ通知でリアルタイムに伝えました。PedidosYaはアルゼンチン国民の約半分が利用する国内最大手のフードデリバリー企業ですから、国民の半分に通知が届いたことになります。

 PedidosYaとグランプリを争ったのが、フランスの自動車会社ルノーの「PLUG-INN」という取り組みです。INNは宿泊施設を表しています。フランスでは国策として電気自動車の普及に注力しているものの、チャージャーステーションが不足している状況です。そこでルノーはAirbnbのビジネスフォーマットをうまくハックし、ルノーの電気自動車のチャージャーを設置したAirbnbオーナーに対して換金する仕組みをつくりました。自動車産業における環境問題の解決にもつながる素晴らしいビジネスモデルだと思います。

【クリック/タップで再生】PedidosYaとグランプリを争ったルノーのPLUG-INN

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー


「MarkeZineプレミアム」とは
溢れる情報の中から、今知るべき優良なマーケティング情報を厳選してお届けする会員サービスです。 Web有料記事が読み放題になるだけでなく、限定セミナー、ホワイトペーパー、雑誌(電子版)など複合的なサービスを通じて、 良質な情報をお届けいたします。個人でのご利用はもちろん、チーム利用向けのプランも複数ご用意しておりますので、 チームビルディングや人材育成にもご活用いただけます。

●全プレミアム記事がWebで読み放題
●限定イベントに無料で参加し放題
●限定ホワイトペーパーが読み放題
●雑誌『MarkeZine』が毎月届く。バックナンバー(電子版)も読み放題(チーム利用向けプランのみ)

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラスをご契約の方は
・こちらから電子版(誌面)を閲覧できます。
・チームメンバーをユーザーとして登録することができます。
 ユーザー登録は管理者アカウントで手続きしてください。
 手続き方法の詳細はこちら

次のページ
モバイル部門のキーワードは「シンプリシティ」

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
審査員が見たカンヌライオンズ2023連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2023/07/20 09:30 https://markezine.jp/article/detail/42745

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング