意思決定の誤りを防ぐためには
前後編の2回にわたり、正しく効果を測定するための方法論である「因果推論」の枠組みとその手法を紹介してきました。
マーケティングにおける「因果推論」の真髄は、「施策があったとき」と「施策がなかったとき」の「2つの世界」における結果を比較することにあります。「施策があったときの結果」の比較対象が、同じ集団の「施策になかったときの結果」になっていない場合、差分を取ったとしても正しい施策の効果は得られません。誤った方法で施策の評価を行い意思決定した場合、本来ならば得られるはずの利益を逃してしまう可能性があります。言い換えれば、マーティングの効果測定で「因果推論」の考え方を取り入れることで、正しいチェックが実現でき、その後のよりよいマーケティングアクション、ひいては利益の最大化が実現できると言えるでしょう。
ビジネス環境の不確実性が増す中で、より確からしく、効率性が求められるマーケティングの現場において、「因果推論」は必要不可欠な技術として、マーケターの武器になるのではないでしょうか。