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イベントレポート

消費者と企業の「問い合わせチャネル」に対する認識のギャップとは? 実態との乖離から紐解くCX改善の鍵

AIチャットボットは嫌われている?

 次に山崎氏は、消費者、企業それぞれに対する先の調査結果を並べて、各項目における企業・消費者間のギャップを浮き彫りにした。

 まず山崎氏が注目したのが、消費者が希望する問い合わせチャネルと、企業が実際に提供しているチャネルの違いだ。調査によると、約9割の消費者が「WebサイトのQ&A閲覧」や「Web問い合わせフォーム」の利用を望む一方、これらのチャネルを提供している企業は約6割に留まった。

 次に、消費者が“利用したくないチャネル”と、それに対する企業側の提供割合を比較したところ、「ビデオ通話」、「AIチャットボット」、「SMS/ショートメール」では特に顕著な差が見られた。

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 これらの調査結果を踏まえ、山崎氏は次のようにまとめる。

「まず重要なのは、消費者が最も利用を望む『Q&Aページ』のさらなる充実化でしょう。また、チャットやAIチャットボットは“利用したくない”層も多かったですが、“利用したい”層も一定数存在したことは意外な発見です」(山崎氏)

 つまり、AIチャットボットは、消費者からの期待と実態に乖離が見られる。そして、今後このAIチャットボットの品質をいかに向上させられるかが、カスタマーサクセス領域におけるCX改善の成否を分けるだろう

約6割の企業がChatGPTに期待

 最後に、企業のChatGPTの利用意向に関する調査結果を紹介した山崎氏。同氏によると、企業の59%が「利用したい」と回答した。企業規模別で見ると、中小企業(n=150)では49.3%が、大企業(n=100)では76.0%が「利用したい」と回答した。

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 説明会終了後の質疑応答では、「米国などと比較して、日本のコンタクトセンター/カスタマーセンターのDXの進捗状況についてどう見ているか」と記者から質問がなされた。これに対して、ジオレット氏は「他国と比べて、日本は3~4年ほど遅れている」と指摘した。

 ジオレット氏は来日以前、NICEのシンガポール支社に勤務していたという。様々なグローバル企業が拠点を置くシンガポールと比較した際、日本のDXはどうしても出遅れ感が否めない、とジオレット氏。

「しかし、日本でも現在、保険業界を中心に生成AIへの関心は急速に高まっています。なぜなら、これらの業界は特に人材が不足しているからです。日本は比較的、保守的な商習慣を持っていますし、個人情報漏えいのリスクやハルシネーションなど、解決すべき課題はまだ残ってはいますが、今後、日本のDXは急速に進むのではないか、と私は見ています」(ジオレット氏)

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この記事の著者

宮田 浩平(編集部)(ミヤタ コウヘイ)

MarkeZine編集部。香川県出身。2016年に時事通信社入社、広島支社、岐阜支局で勤務。2019年から広告・マーケティングの専門メディアで編集者。主にPR・ブランディングやプロモーション領域の取材を担当。2022年5月から現職。企業のサステナブルやDE&Iを軸にした取り組みに興味。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2023/08/31 08:30 https://markezine.jp/article/detail/43143

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