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イベントレポート

消費者と企業の「問い合わせチャネル」に対する認識のギャップとは? 実態との乖離から紐解くCX改善の鍵

購買前のフォロー次第で、購入意欲高まる層は約7割

 次に、企業側が提供している問い合わせチャネルの実態を見てみよう。企業に対して、提供チャネルを回答してもらったところ、最多回答は「メール(66.8%)」に。また、2022年の調査結果と比較して最も減少したのは「電話/オペレーター」で、11.6ポイント減少。一方、「電話IVR/自動音声応答」「ビジュアルIVR」「チャット」はそれぞれ10ポイント前後、増加した。

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 山崎氏は「興味深いのが、チャットの導入を検討する企業は増えた一方、既に導入していた企業の中で『導入をやめた』の回答割合が、前回調査の4%から11.2%に増加している点だ」と補足した。

 では、こうした問い合わせサポートの有無が、実際の消費行動にどのような変化をもたらすのか。ECサイトでの購入を例に消費者に質問。有効回答数87のうち、「ECサイトで商品を購入する前のサポートが良ければ購入意欲が高まる」と回答した人の割合は72.4%だった。また、「購入後のサポートの質が良ければ継続利用の意向が高まる」の回答割合も66.1%と、過半数を占めた。

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約7割が「自己解決→問い合わせ」を実践

 商品について調べている途中で、疑問や不明点が生じた場合の対処法をスクリーニング(事前)調査の段階で消費者に尋ねたところ、94.4%の人が「自分で調べる」と回答。さらにその中で、次のアクションとして「企業に問い合わせる」と回答した人は計79.8%に。つまり、全体の約7割が「自己解決→問い合わせ」というステップを踏むことが判明した

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 次に、どのチャネルが最も疑問や不明点の解消につながったかを質問。その結果、トップ回答は「電話/オペレーター(90.1%)」に。2番目以降に「店頭・実店舗(80.7%)」、「メール(76.6%)」が続いた。反対に、解決が難しかったチャネルのトップ3は「AIチャットボット(23.8%)」、「WebサイトのQ&A閲覧(17.1%)」、「チャット(15.3%)」だった。

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 なぜ「AIチャットボット」がワースト1位になったのか──その理由を、山崎氏は「電話と比べて(AI)チャットは、一度の会話で複数のテーマについての回答を得るのが難しいためでは」と指摘。つまり、消費者が複数のテーマを一度に質問しようとしても、AIチャットの場合、柔軟性に欠け、的確な答えが得られにくいというのだ。

 転じて、本調査で消費者にとって“利用したいチャネル”と“利用したくないチャネル”それぞれ選んでもらったところ、「WebサイトのQ&A閲覧」は“利用したいチャネル”として94.0%とトップ回答に。一方、“利用したくないチャネル”の最多回答は「ビデオ通話(60.4%)」だった。

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 また、山崎氏によると、不明点が解消されなかった場合、「あきらめる/商品・サービスを利用しなくなる」と回答した消費者は約半数に上ったという。さらに、2~4割の人が「他社製品への乗り換えを検討・実施する」と答えた。

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AIチャットボットは嫌われている?

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この記事の著者

宮田 浩平(編集部)(ミヤタ コウヘイ)

MarkeZine編集部。香川県出身。2016年に時事通信社入社、広島支社、岐阜支局で勤務。2019年から広告・マーケティングの専門メディアで編集者。主にPR・ブランディングやプロモーション領域の取材を担当。2022年5月から現職。企業のサステナブルやDE&Iを軸にした取り組みに興味。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/08/31 08:30 https://markezine.jp/article/detail/43143

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