博報堂はこのほど、リテールメディアの実態調査を実施した。同調査では、メーカー担当者304人と15~79歳の男女1,022人それぞれに個別の質問を投げ、結果をまとめている。
リテールメディアの活用率は3割未満
メーカー担当者(n=304)に「リテールメディア(※1)をどの程度知っているか」と尋ねたところ、「知っている(※2)」と回答した人は55%に。また、リテールメディアの利用経験についても質問。その結果、「経験がある」と回答した人は29%だった。
※1 小売業の各種メディアを活用した広告。たとえば、小売店舗の購買データを用いたDSP配信や小売店舗内のデジタルサイネージやアプリ広告などがある
※2 「名前は聞いたことがある(19%)」「リテールメディアの内容・特徴を少し知っている(23%)」「リテールメディアの内容・特徴を詳しく知っている(12%)」の合計割合
最も評価の高いメニューは「購買データを用いたDSP配信(動画)」
リテールメディアを活用したことのある人に、その費用対効果を評価してもらったところ、「(費用対効果は)高い」と回答した人は53%、「妥当」と答えた人は29%だった。なお、リテールメディアの各メニューのうち、最も高評価だったのは88%で「購買データDSP配信(動画)」だった。
リテールメディアの課題は「出稿効果が不透明」など
リテールメディアの活用経験があり、高く評価した人(n=92)に対して、リテールメディアに対する現在の印象を聞いたところ、最多回答は「売り場・棚獲得に効果がある(65%)」に。一方で、「出稿効果の分析方法や結果が不透明、十分でない(55%)」や「リテールメディアにどんな種類があるか把握しきれていない(53%)」などにも過半数の票が入った。
生活者の4割超がリテールメディアを視聴
生活者(n=1,022)を対象に、リテールメディアをどの程度見たことがあるか、と質問。その結果「内容をよく見ている」「たまに見ている」の合計割合は43%に(各メニュー項目への回答の平均値)。また、各店舗で特に接触度が高かったのは、ドラッグストアでは「店頭(45%)」に、スーパーとコンビニエンスストアでは「商品陳列棚のサイネージ(各49%、51%)」となった。
【調査概要】
1.メーカー担当者向け調査
対象:全国の20~59歳の男女 兼 メーカー担当者(パート・アルバイト除く)
手法:インターネット調査
時期:2023年8月
分析対象回答数:304
2.生活者向け調査
対象:15~79歳の男女
地域:全国
手法:インターネット調査
時期:2023年3月
有効回答数:1,022
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