SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

実践企業に聞く!経済価値と社会的価値の両立

学生アスリートの約3分の1が将来に不安、元アメフト選手が行う「競技への集中」と「キャリア支援」の両立

 生活者が企業の社会的価値をも重視し始めた今、企業には誠実な姿勢が一層求められている。誠実さを担保しつつ、経済価値と社会価値の創造を両立させるためにはどうすれば良いだろうか。本連載では、B Corp認証を取得したPR支援企業パブリックグッドの菅原賢一氏が企業成長の視点を持ちつつ、社会価値を創造するためのヒントを探るべく実践者に取材する。今回は、学生アスリートのキャリア支援を行うShape the Dreamの白木氏にお話をうかがった。

31歳、現役引退で目標を失った

菅原:今回は学生アスリートのスポーツキャリアを形成するNPO法人Shape the Dream(StD)の代表理事を務める白木栄次さんをゲストに迎えました。マーケティング媒体でNPO法人を取り上げる異色の回です。学生アスリートのキャリア支援は社会的に意味がある一方で、サービスの受け手である学生にとっては、ある種シビアな話でもあると思います。ここをいかにバランスして活動を広げられているか、うかがいたいと思います。

 まずはどのような活動をされているか、ご紹介いただけますか。

白木:高校や大学で部活動を一生懸命頑張っている学生さんたちを対象に、将来のあり方や、スポーツで培った力をどう社会や組織へ転用できるのかを考えるプログラムを提供しています。

NPO法人Shape The Dream 代表理事 白木 栄次氏
NPO法人Shape the Dream 代表理事 白木 栄次氏

 Shape the Dreamを立ち上げたきっかけは、元アメフト選手だった私自身の経験によるところが大きいです。私はスポーツ推薦で大学に入り4年間アメフトに没頭。就職後も実業団チームで選手として活動を続けました。

 大きな転機が訪れたのは31歳、現役を引退したときです。私自身は競技をしながら会社員として仕事をしていたので、ビジネスマンとしてのスキルや知識が身についていると思っていました。しかし実際は「白木くんはアメフトを頑張っているから」と職場の方々がフォローしてくれていたからこそ、アメフトと仕事の両立ができていたんです。引退して「アメフトの白木くん」から「ただの白木くん」になったとき、スキルも目標も何もないと気づきました。

 これはまずいと、まず学び直しのためにビジネススクールに入学。在学中に自身の原体験をもとに学生アスリートのキャリア形成を支援する今のShape the Dreamの活動を発案しました。

学生アスリートの約3分の1は、将来が不安

菅原:学生アスリートのキャリア支援というと、悩ましいポイントがあるのではないかと思います。ひとつはプロを目指している学生に、ある種の現実を突きつけ「諦めなさい」と言っていると誤解、曲解されてしまうのではないかということ。もうひとつは、せっかく選手が一途に頑張っているところに余計な情報を入れないでほしいと思う指導者もいるのではないか、と。そのあたりはどのように乗り越えてきたのでしょうか?

株式会社パブリックグッド 代表取締役 菅原 賢一氏
株式会社パブリックグッド 代表取締役 菅原 賢一氏

白木:大前提として「諦める」や「プロになれない可能性が高い」といった表現は一切使いません。その上で、キャリアについて考えることは今頑張っているチーム活動やスポーツに活かすことができると、スポーツに転換できる汎用的な考え方を学生さんたちと一緒に形造っています。

 いきなりキャリアや将来について考えようとは言いません。スポーツに打ち込んでいる大学1、2年生が自分事として考えるのは難しいでしょうし、指導者にしてみれば「そんな時間があるなら練習してもらいたい」と思ってしまうかもしれません。

 一方で、将来のキャリアに不安を抱えている学生アスリートが多いことも事実です。アンケートで「あなたから競技をとったら何が残りますか」と質問すると、約3分の1の人は「何も残らないと思う」と回答するんです。アスリートというと、自信を持って頑張っている人といったイメージを持つかもしれませんが、取り組んでいるスポーツ以外に関しては、実はそんなことはないのです。

この記事はプレミアム記事(有料)です。ご利用にはMarkeZineプレミアムのご契約が必要です。

有料記事が読み放題!MarkeZineプレミアム

プレミアムサービス詳細はこちら

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラスをご契約の方は
・こちらから電子版(誌面)を閲覧できます。
・チームメンバーをユーザーとして登録することができます。
 ユーザー登録は管理者アカウントで手続きしてください。
 手続き方法の詳細はこちら

次のページ
スポーツで培った力は、ビジネスでも活かせる

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
実践企業に聞く!経済価値と社会的価値の両立連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

菅原 賢一(スガワラ ケンイチ)

 株式会社パブリックグッド 代表取締役
1975年岩手県生まれ。プラップジャパン、インテグレートを経て、2013年にソーシャルマーケティングを手掛ける株式会社パブリックグッド設立。日本PR協会主催PRアワードグランプリ「ソーシャルグッド部門」にて2020年ブロンズ、2021年シルバー受賞。
2023年、事業活動...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2024/04/25 08:57 https://markezine.jp/article/detail/43419

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング