コミュニティとSNSの相互補完的な関係
駒谷氏は、ファン育成の重要な“場”である「コミュニティ」と「SNS」の関係性に言及する。同氏によると、「コミュニティとSNSは相互に補完し合う関係」とのことだ。
「SNSだけではファンと密に交流することは難しいですし、コミュニティのみだとファンの声を世間一般に拡散させづらい。したがって、コミュニティで熱量を高めてユーザーにファンになってもらい、そのファンにSNS上で一般の方々に向けて発信してもらう。その口コミに感化された人が新たにコミュニティに入ってくる……こうしたサイクルを作るのがベストなソリューションです」(駒谷氏)
さらに駒谷氏は、「コミュニティを深く理解するには、実際に参加して体験することが最も重要」と述べ、コミューンが運営をサポートしている次のサイトを紹介する。いずれも参加無料のコミュニティだという。
コミューン支援で登録ユーザー数は約5倍に
駒谷氏は続けて「コミュニティ運営の予算が年間2,000万円未満の場合、サイト立ち上げにあたっては自社で開発するよりも既存のベンダーのCMSプラットフォームを利用したほうが良い」と勧める。なぜなら、スクラッチ開発には初期投資だけでなく、メンテナンスや追加の機能実装にもコストがかかるからだ。
また、各ベンダーの提供するプラットフォームの機能は様々。「UI/UX」をはじめ「ダッシュボードの視認性」や「レコメンド機能」さらに、1st Party Dataと連携する際の「APIの柔軟性」など、見るべきところは複数ある。
「どのベンダー企業も『自社はカスタマーサクセスが充実している』などとアピールしますが、CSの分野でも得意領域は様々あるため、注意が必要です。その点、手前味噌ですが、私たちコミューンが提供するCMSとサポート体制は、業界内でも優れているほうだと自負しています」(駒谷氏)
同社の提供するCMSには、初めてコミュニティに参加したユーザーに自動でウェルカムメッセージを送る機能が搭載されている。
「ユーザーが初めてコミュニティに参加する場合、運営側から放置されるか、きちんと個別にメッセージをもらえるかで、その後のコミュニティへの“想い”には雲泥の差が出てきます。ウェルカムメッセージの自動送信機能はニッチな機能のように思われるかもしれませんが、非常に大事な意味を持つのです」(駒谷氏)
さらに、ユーザーの不適切な投稿に即座に対応するための「炎上防止機能」や、オン/オフのイベント運営のサポートなど、多岐にわたるサービスを提供しているという。
確かに、FacebookやLINEを活用すればコミュニティ運営を無料で済ませることは可能かもしれない。しかし、過去に無料のプラットフォームを利用していた企業がコミューンサポートに移行した結果、登録ユーザー数が約5倍に拡大した例もあるという。「コミュニティ運営には実は多くのノウハウや経験が求められる。ぜひ私たちの知見を活用して、成功への道を探ってもらえれば」と駒谷氏は語り、セッションを終えた。