インテントセールスを日本でも当たり前のものに
──マーケティング〜営業〜カスタマーサクセスの組織体制についても教えてください。
基本的には、TheModel型の組織体制を敷いており、組織の作り方はステージ別で変化させてきました。まず、シード期は、少ない資金をいかに有効活用し、最速でPMF(Product Market Fit)を達成するかが目標になります。そのため、共同創業者である私を含めた4人の取締役以外は業務委託で組織を構成していました。ですが、「Sales Marker」はプロダクトの進化が速いので、フルで関わっていないと、どうしても認識や理解に時差が出てきてしまいます。ですので、シリーズAの資金調達を終えたタイミングからは、正社員の採用を重要視し組織作りにも力を入れています。
ただ、マーケティング人材の獲得に関しては課題があります。元々私はエンジニア出身なのですが、エンジニアには「フルスタックエンジニア」と呼ばれる人が存在します。簡単に説明すると、エンジニアリングの領域は各分野ごとに専門性があるのですが、フルスタックエンジニアは一人ですべての領域をカバーできるんです。よって、フルスタックエンジニアがいれば、開発面のあらゆる問題が解決されます。
ですが、マーケティングの領域で「フルスタックマーケター」と呼べるような人材は、本当に稀有ですよね。特にBtoBの市場にほぼ存在しておらず、ナーチャリングとリードジェネレーションに関してもそれぞれ違う専門性がありますし、リードジェネレーション一つとっても、Facebook広告の運用に強い人とリスティング広告の運用に強い人などスキルや経験が細分化されています。必要なマーケ人材を一人ひとり揃えていくことに、今まさに苦労していますが、フリーランスに業務委託、副業などいろいろな形態とサービスを活用しながら、並行して採用を進めています。
──最後に、CrossBorderの今後の展望をお聞かせください。
第一には、インテントセールスを日本でも当たり前のものにしていきたいです。元々、「Sales Marker」を提供している背景には、営業をする人にとっても、営業をされる人にとっても、より良い社会を作っていきたいという思いがあります。インテントデータを用いれば、顧客の課題に寄り添った、顧客から感謝されるような営業ができるようになります。このことを広めて、営業で断られ続ける日々で心身を病んでしまう方を一人でも減らしていきたいです。
さらに、インテントセールスの考え方は、営業だけでなくマーケティングの領域にも活かすことができるはずです。日本の製造業界・IT業界には、素晴らしい技術を持っているのに、うまくマーケティングができず、廃業になってしまう企業がたくさんあります。インテントデータをマーケティング領域にも応用することで、そうした企業の技術や商品がより市場に拡大・浸透しやすくなるような仕組みを作っていきたいです。
※1 「Sales Marker」で取得しているデータは企業単位のインテントデータ、企業データ、公開人物データ、公開部署データで、個人単位のインテントデータの取得はなし。企業のインテントデータ(行動履歴データ)は、情報の適正取得を証明可能なパートナーからのみ取得。
