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【特集】事業フェーズ×組織規模で見る「BtoBマーケティング」

急成長スタートアップCrossBorderに学ぶ、既成概念を越えたBtoBマーケティング&営業手法

急成長の理由は?

──CrossBorderは、2021年7月の創立以来急速な成長を遂げており、「Sales Marker」の導入企業はこの1年半で180社以上(トライアル抜き)に上ると聞いています。BtoBマーケティングの観点から、成長の要因を教えていただけますか。

 成長の速度については、KPIの設定の仕方に一つ理由があると考えています。というのも、CrossBorderでは「リード獲得数」というKPIをあまり見ていません。

 わかりやすいのが、展示会の例です。BtoB企業が展示会に参加するとき、その場では名刺獲得率をKPIにして、後日メールを送り、リードナーチャリングを経て、最後に商談化を目指すというのが一般的なフローだと思います。業界の方々から話を聞いていると、展示会〜商談化までにかかる期間はだいたい6ヵ月で、展示会から6ヵ月後の商談数を最終KPIにしているケースが多いようです。一方、我々の場合は、展示会当日の商談獲得数を最重要KPIとしています。6ヵ月のリードタイムが1日、言ってしまえば0日になるわけです。直近の例で言うと、展示会で約230人の方と名刺交換をし、当日に120件以上の商談を作るというようなイメージです。

 このKPI設計にはもう一つ利点があり、マーケティング部門と営業部門で同じKPIを追いかけられることになります。商談獲得までのフローにおいては、マーケティングと営業の役割がほぼ同じということになりますから、マーケティング組織がまだ確立していない時期から、営業主導で売上を伸ばしていくことができたのだと考えています。

──そもそも、なぜ展示会でそれだけの商談を生み出せるのでしょうか?

 それは、WHO/WHATを定義し、社内へしっかり共有・浸透させることができているという点に尽きると思います。展示会の場で我々が行うことは、第一にお客様の課題を特定すること。次に、その課題を「Sales Marker」がいかに解決できるかを示すこと。この2点のみです。機能の紹介などはほとんど行いません。

 CrossBorderを創業し、「Sales Marker」を提供し始めた頃は、特にWHOに関してはあまり解像度が高くありませんでした。WHO=営業が必要な企業、つまりBtoB市場全体といった具合にかなりざっくりしていたんですね。このWHO/WHAT/HOWの定義などマーケティング戦略の策定においては、社外のパートナー企業の力を借りながら、徐々に解像度を高めていきました。

 現在定義しているWHOは「スタートアップのレイターステージにいて、かつ商談が継続的に必要なBtoB企業」で、とりわけホリゾンタルSaaS(業種に関係なく、特定の業務に使用されるSaaS)を重視しています。理由は、業界横断でサービスを展開している企業は、BtoB市場のほぼあらゆる層が顧客層に該当するため、ターゲティングに課題を抱えていることが多いからです。たとえば、バックオフィス系のソリューションや営業代行のサービスなどは、おおよそすべての業種業界・企業がターゲットになりますよね。属性データだけでは、そのうちどの企業に狙いを定めれば良いかわからないわけです。

──WHO/WHAT/HOWが言語化され、社内に浸透しているから、効率的なマーケティングや営業ができるのですね。

 社内で言語の統一がされていないと、「インテントセールス」ないし「Sales Marker」の認知を社外で拡大し、浸透させていくことなど不可能だと思っています。まずは社内から認識を揃え、マーケティング、営業、エンジニアといった役割に関係なく「インテントセールスとは何なのか」「誰のどんな課題を解決するのか」の共通言語化を徹底してきました。それにより、営業活動の効率も格段に上がりましたし、マーケティングのメッセージも際立ってきたように感じています。

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インテントセールスを日本でも当たり前のものに

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2023/09/25 09:30 https://markezine.jp/article/detail/43551

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