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探訪!時代をとらえ、成果につなげるテレビ活用術

「どうする?GOする!」タクシーアプリのGOが仕掛けたブランド想起のためのテレビ活用術


 「どうする?GOする!」のテレビCMでおなじみのタクシーアプリ「GO」。サービス開始からわずか3年で1,500万ダウンロードを超えた。急拡大を続けるGOのマーケティング戦略において、テレビCMとデジタルメディアはどのようにシナジーを生んできたのか。本記事では、GOアプリ事業本部で本部長を務める江川絢也氏に詳細を聞いた。

シェア獲得率は驚異の80% タクシーアプリ「GO」

――まずは、江川様のご経歴と現在の業務領域をうかがえますか。

 タクシーアプリ「GO」の前身「MOV」のサービス立ち上げ時である2017年にDeNAに入社し、それから6年半の間一貫してタクシーアプリ事業を担当してきました。

 現在、「MOV」は「JapanTaxi」アプリと統合したことで「GO」へと変わり、その「GO」アプリの事業本部長を務めています。

GO 執行役員 GOアプリ事業本部 本部長 江川 絢也氏

 当社GOは個人・法人向けタクシーアプリ「GO」を中心に、他にもタクシー車両向けの決済端末の提供なども行っています。当事業部は、それら複数のサービスを統括するのがミッションです。

――改めてタクシーアプリ「GO」の概要について教えてください。

 「GO」は、タクシーの利用時に、アプリ上で車を呼んだり決済ができたりとタクシーユーザーが便利になるサービスです。国内タクシーアプリ上位5つの中で、総利用時間の約80%の市場シェア(data.ai調べ)を占めており、おかげさまで非常に多くのユーザーにご利用いただいています。

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「IoT機器の提供」をフックにシェアを急拡大

――「GO」がタクシーアプリの中で高いシェアを獲得してきた秘訣を教えてください。

 現在、全国レベルで見ると、総タクシー実車数に対するタクシーアプリの普及率は10%未満です。しかし、6年前時点はさらに低く1%にも満たない程度でした。

 リーマンショック以降でタクシーの利用率が低下する中、「設備投資を増やして、アプリ配車を受けられるようにしてください」とタクシー会社にお願いをしても、そもそもアプリ単体には価値はないので、なかなか応じてもらえませんでした。

 しかし、アプリに価値を付与していくためには、提携するタクシーの車両数を拡大し、ユーザーがアプリを使用した際に、早く、確実に乗れるようにする必要があります。

 そこで我々は、カーナビや決済端末などのIoT機器を提供することで、あわせてアプリ配車を受けてもらえるようにしました。当時は、タイミング的にも国がキャッシュレス決済端末を増やそうとしていた時期だったこともあり、全国の提携タクシー会社数が大幅に増加しました。

タクシーに提供しているIoT機器

 これにより、タクシーアプリとしての利便性がある程度担保できるようになったので、今度はユーザーにアプリを積極的に使用してもらえるように、2021年頃から大規模にテレビCMを実施し始めました。このように先に車両数を揃えた上で、CM展開を行ったことがポイントだったと考えています。

――サービス開始初期はどのようにして決済端末機器の導入を促されたのでしょう?

 決済端末機器を非常に安価で提供しました。そもそもタクシー車両内は、Wi-Fiもない上に、常に振動や熱などにも晒される精密機器にとっては非常に過酷な環境という特徴があります。そういった環境でも壊れない機器を提供しようとすると、約10年前は一台あたり50万円もかかっていました。

 我々の端末は決済もアプリ展開もでき、加えて端末で広告を流すことで収益も上げられるというビジネスモデルを構築していたため、他社とは比較にならないくらい安価なコストでの提供ができました

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この記事の著者

三ツ石 健太郎(ミツイシ ケンタロウ)

早稲田大学政治経済学部を2000年に卒業。印刷会社の営業、世界一周の放浪、編集プロダクション勤務などを経て、2015年よりフリーランスのライターに。マーケティング・広告・宣伝・販促の専門誌を中心に数多くの執筆をおこなう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/01/22 19:58 https://markezine.jp/article/detail/43557

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